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国内の暴力
ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村近くのレーダー大隊基地を反体制武装集団が制圧した。
これに先だって、27日にはヌアイマ村、サイダー町の大隊基地を完全制圧したという。
またマスミヤ町の第34旅団基地および軍事情報局周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市周辺、ダルーシャー村、スバイナ町、ザマルカー町などに軍が空爆・砲撃を行った。
一方、SANA(4月28日付)によると、シャイフーニーヤ村、リーハーン市、ハルマラ市、ハラスター市、ダーライヤー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町などで軍が反体制武装集団に対する特殊策戦を行い、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またクドスィーヤー市では、軍が外国人からなる武装集団と交戦、殲滅した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦、迫撃砲弾が着弾した。
一方、SANA(4月28日付)によると、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、複数の市民が負傷した。
またバルザ区では、ダマスカス郊外県衛星局長補佐の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、同局長補佐が負傷した。
さらにジャウバル区、バルザ区で軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺などに軍が空爆を加えた。
一方、SANA(4月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、シュグル市、バシュラームーン村、カスタン村、フーカーニー市、アイン・スーダー市、ナイラブ村、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シリア殉教者大隊・旅団、使徒末裔連合メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地内で軍と反体制武装集団が交戦した。
またハンダラート・キャンプ、タッル・リフアト市、アレッポ市サラーフッディーン地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(4月28日付)によると、バーブ市、ナイラブ村、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アイン・ダクナ村、アルカミーヤ村、バヤーヌーン町、カフルアントゥーン市、マーイル町、タッル・リフアト市、アアザーズ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、アブー・ダジャーナ大隊、ジュンド・ハラマイン旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、シャイフ・マクスード地区、ハイダリーヤ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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クッルナー・シュラカー(4月28日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市のアラーヤー中央刑務所の収監者60人が集団脱獄を図り、反体制武装集団が制圧する地域に逃走した。
同報道によると、治安当局および民主統一党人民防衛隊が脱獄者を追跡、人民防衛隊が4人を拘束、1人を殺害した。
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ヒムス県では、SANA(4月28日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。
またクサイル市郊外のカマーム村、シューマリーヤ市、サッルーミーヤ市、アクラブ町、東ブワイダ市、西ダミーヤ市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区タッルドゥー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
うちクサイル市郊外のカマーム市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。
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ハマー県では、SANA(4月28日付)によると、ファーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(4月28日付)によると、ムッラート村、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラッカ県では、SANA(4月28日付)によると、ラッカ市のスィナーイーヤ地区にある「シャリーア委員会」本部など反体制武装集団の拠点を軍が破壊し、ラッカ・イスラーム革命家旅団メンバーなどを殺害した。
レバノンの動き
ヒズブッラー執行議会のハーシム・サイフッディーン議長は、「シリアにおける我々の姿勢は、レジスタンスに力を与えると考える。シリアで起きている戦闘はレジスタンスとその武器を標的にしている」と述べた。
そのうえでサイフッディーン議長は「そこ(レバノン南部)で勝利したのと同じ戦い、同じ大義、同じ目的であり、我々はこれらすべての戦いにおいて勝者となるだろう」と強調した。
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LBCI(4月28日付)は、ベカーア県バアルベック郡シャムスィーン村・カフルザバド村間でシリア領からの銃撃により13歳にシリア人が死亡したと報じた。
諸外国の動き
SANA(4月28日付)は、トルコのハタイ県アンタキア市で、「世界帝国主義の陰謀」に立ち向かうシリア(アサド政権)との連帯を訴えるデモが行われ、多数の市民が参加した、と報じた。
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ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣は4日間にわたるレバノン訪問を終え帰国した。
『ナハール』(4月28日付)によると、副大臣は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長らと会談し、ヒズブッラーの参戦が事態をさらに複雑にするとしたうえで、ヒズブッラーにシリアからの戦闘員の撤退を求めたと報じた。
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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は『ヴェルト・アム・ゾンターグ』(4月28日付)に対して「シリアでの戦争の火の手がトルコ、イラク、ヨルダン、レバノンといった隣国に及び、我々の友好国であるイスラエルの脅威とならないよう警戒せねばならない」と述べた。
またドイツが民主的反体制勢力を支援すると強調する一方、「アサドと戦うテロリストや過激派は我々の友人ではない」と非難した。
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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領はシリア情勢に関して、反体制勢力が勝利すれば、地域の不安定化をもたらし、「地域全体に脅威となる」と述べた。
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英国のデヴィッド・リチャーズ軍参謀長は、『サンデー・タイムズ』(4月28日付)に対して、シリア政府による化学兵器使用に対して英国政府が介入すれば、英国軍を「全面戦争」に巻き込む危険があると警鐘を鳴らした。
AFP, April 28, 2013、Akhbar al-Sharq, April 28, 2013、al-Hayat, April 29, 2013、Kull-na Shuraka’, April 28, 2013、Kurdonline, April 28,2013、LBCI,
April 28, 2013、al-Nahar, April 28, 2013、Naharnet, April 28, 2013、Reuters, April 28, 2013、SANA,
April 28, 2013、The Sunday Times, April 28, 2013、UPI, April 28, 2013などをもとに作成。
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