米・英当局がアサド政権が化学兵器を使用した可能性について慎重なコメントを出すなか、シリア国民評議会は同問題をめぐって国連安保理にシリア国内での調査を実施するよう要求(2013年4月26日)

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国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市などが軍の砲撃を受けた。

またムライハ市で、軍が拷問・殺害されたと見られる男性の遺体が発見された。

一方SANA(4月26日付)によると、イバーダ市、ドゥーマー市郊外、ダーライヤー市、ナブク市、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アッシュ・ウルール地区、ヤルムーク区、ジャウバル区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月26日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ザーヒル航空基地周辺、サラーキブ市、ハーッス村、マアッラトミスリーン市、カフルウバイド村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月26日付)によると、アブー・ザーヒル航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団などによると、ガマーム村、ダイル・ハンナー村、ラビーア町などが軍の「樽爆弾」による空爆を受けた。

一方、SANA(4月26日付)によると、カサブ村、ムガイリーヤ村、グナイマ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区西部で、民主統一党人民防衛隊とバドル殉教者大隊(ハーリド・ハイヤーティー司令官)が交戦、また同地区に対するバドル殉教者大隊の砲撃で子供3人を含む12人(クルド人)が死亡した。

一方、SANA(4月26日付)によると、マンナグ村周辺、カフルハーシル村、アイン・ダクナ村、タニーバ市、カフルタルビーン市、ズィラーア市、アルカミーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ハイダリーヤ交差点などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺に対して、軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市空港周辺、ジュバイラ地区、ハウィーカ地区などで軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(4月26日付)によると、ダイル・ザウル市の工業地区、旧空港地区、ジュバイラ地区、マリーイーヤ村、アシャーラ市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クルドオンライン(4月26日付)によると、ラアス・アイン市で武装したバアス党員が、ラアス・アイン市暫定地元評議会メンバーのムスタファー・ファルハーン氏を誘拐した。

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ヒムス県では、SANA(4月26日付)によると、クサイル市および郊外、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、タルビーサ市郊外、ダール・カビーラ村、ダブア市、東ブワイダ市、タッルドゥー市、カフルラーハー市、キースィーン市、アイン・フサイン市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(4月26日付)によると、トゥライスィーヤ市、ズグバ市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ハヤート』(4月27日付)は、アレッポ県アレッポ市フィルドゥース地区、マサーキン・ハナーヌー地区、マアーディー地区、バーブ街道地区、サラーフッディーン地区、シャッアール地区、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、イドリブ県ビンニシュ市、カフルナブル市、クッリー市、ダルアー県ヤードゥーダ村、ヒルバト・ガザーラ町、ハマー県カフルズィーター市、カルアト・マディーク町、ムーリク市、ダマスカス郊外県ムライハ市、カフルバトナー町、ミスアーバー市、ヤブルード市、アルバイン市、ダマスカス県ヤルムーク区などで、「多数派保護の金曜日」と銘打って反体制デモが行われたと報じた。

シリア政府の動き

RT(4月26日付)、インテルファクス通信(4月26日付)などによると、マフムード・ズウビー情報大臣は訪問先のモスクワで、「アレッポ市ハーン・アサル地区でテロリストが使用した化学兵器がトルコから持ち込まれたものと思われる」と述べた。

またズウビー情報大臣は「シリア軍は化学兵器を保有していない」と述べたという。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、シリア政府による化学兵器使用疑惑をめぐる米ホワイトハウスの書簡などを受けるかたちで、国連安保理にシリア国内での調査を要求した。

諸外国の動き

ジェイ・カーニ-米ホワイトハウス報道官は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して「米政府は、シリア政府が化学兵器を使用したとの証拠を検討中だ。期限は設けていない…。諜報機関の評価は…決定的な証拠ではない」と述べた。

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バラク・オバマ米大統領はヨルダン国王アブドゥッラー2世とワシントンDCで会談し、シリア情勢、化学兵器使用疑惑などについて協議した。

オバマ米大統領は会談後、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して「いつ、どこで、どうやって兵器が使用されたかに関して多くの疑問が残っている」と述べ、確実な証拠を得るための調査を急ぐ考えを示した。

またオバマ大統領は「一般市民に大量破壊兵器を使用することは、国際規範と国際法上の一線を越えるもので、事態は一変する」と述べた。

しかし、イラク戦争で大量破壊兵器が発見されなかったことなどを念頭に「我々は慎重に評価を下さなければならない」と付言し、慎重な姿勢を示した。

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イスラエルのゼエヴ・エルキン副首相は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して、軍のラジオ局に対して、「レッド・ラインを実際に越え、化学兵器が使用されたと理解しているのなら、シリアの化学兵器の備蓄を掌握でき、そうすればみなの懸念が払拭されるだろう」と述べた。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して、BBC(4月26日付)に対して「限定的な証拠だが、アサド政権によって化学兵器が使用されたであろうことを示すさらなる証拠が我々にはある。これは非常に危険であり、戦争犯罪だ」と述べた。

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AFP(4月26日付)は、ローラン・ファビウス外務大臣が28日発売予定の仏週刊誌とのインタビューで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任に関して、「政治的対話を支持していたハティーブ議長の辞任は遺憾」と述べた、と報じた。

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フランス外務省は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して、シリア政府が国連の調査団展開を求める国際社会の要求に応えねばならない、との意思を示した。

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トルコ外務省報道官は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して「この(米国の)新たな情報は事態を別の次元へと移行させる。大いなる懸念を喚起する…。シリアでの化学兵器使用に関する報告がなされた当初から、我々は国連に包括的な調査を求めてきた。しかしシリア政府がそれを許さなかった」と非難した。

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国連難民高等弁務官は、周辺諸国で難民登録をしたシリア人避難民の数が140万人に達したと発表した。

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『ハヤート』(4月27日付)によると、ヨルダンの複数の消息筋は、シリア軍がダルアー県からヨルダンに不法入国したバス2台を攻撃したと報じた。

このバスはシリアからの避難民を載せていたという。

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ハマースのムーサー・アブー・マルズーク政治局メンバーは、シリアからエジプトへのパレスチナ人の流入に関して、国連難民高等弁務官がUNRWAの所轄だとして関与しようとしないと非難、エジプト国内にパレスチナ人避難民の登録事務所を設置すべきだと主張した。

AFP, April 26, 2013、Akhbar al-Sharq, April 26, 2013、al-Hayat, April 27, 2013、Kull-na Shuraka’, April 26, 2013、Kurdonline, April 26,2013、Naharnet, April 26, 2013、Reuters, April 26, 2013、SANA, April 26, 2013、UPI, April 26, 2013などをもとに作成。

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