ダマスカス県では、SANA(2月5日付)によると、「東グータ地方のタクフィール主義テロ集団」が住宅地を砲撃し、6人が死亡、53人が負傷したと伝えた。
またシリア人権監視団によると、イスラーム軍がウマイヤ・モスク周辺の旧市街を含む各所に対して無差別砲撃を行い、63発以上の砲弾が着弾、5人が死亡、少なくとも33人が負傷、住宅、自動車など多数が損害を受けた。
イスラーム軍による無差別砲撃の被害にあったのは旧市街、アダウィー地区、ガッサーニー地区、バラームカ地区、アミーン地区、シャーグール区、アブー・ルンマーナ地区、税関地区、ムジュタヒド地区、マズラア地区、ザバダーニー地区、カッサーア地区、マッザ区、ルクン・ディーン区。
無差別砲撃が始まったのは、午前8時頃のラッシュ時間だったが、砲撃開始から数分で住民らは屋内に避難し、公立・私立学校が休校となったほか、通勤通学の足に影響が出たという。
反体制活動家らによると、迫撃砲は、マーリキー地区、ムハージリーン区、サブア・バフラート地区、マッザ86地区、税関地区の治安厳戒地区、カフルスーサ区の総合情報部、人民議会議事堂周辺、シャアラーン地区(将校クラブ周辺)、サーリヒーヤ区、アイン・クルシュ地区、バグダード通り、サウラ通り、カッサーア地区、ファイハー地区、マズラア地区、アマーラ地区、ザバダーニー地区、アッバースィーイーン地区(バス発着場)に着弾し、「治安機関拠点などが標的となった」という。
一方、SANA(2月5日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラタキア県では、イスラーム国のイスラーム・アッルーシュ大尉が、ラタキア市内の治安関連施設に対する砲撃作戦を開始したと発表、ドゥラル・シャーミーヤ(2月5日付)によると、ラタキア市内のラムル地区、アズハリー交差点近くなどで迫撃砲が着弾したと思われる爆発音が3回にわたって聞こえた。
一方、SANA(2月5日付)によると、ラタキア市のアズハリー地区に対して「テロリスト」が迫撃砲2発を発射し、住民2人が負傷した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、イスラーム軍によるダマスカス県各所への無差別砲撃に報復するかたちで、ドゥーマー市、アルバイン市、カフルバトナー町、アイン・タルマー村など東グータ地方各所に対して激しい空爆・砲撃を行い、少なくとも45人(うち子供4人、女性5人)が死亡、140人以上が負傷した。
クッルナー・シュラカー(2月5日付)によると、この空爆で、ドゥーマー市に唯一あった野戦病院が完全に破壊されたという。
一方、SANA(2月5日付)によると、アーリヤ農場、アイン・タルマー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、クナイトラート村、ラターミナ町をシリア軍が空爆する一方、ムハルダ市一帯、ザッリーン検問所に対してジハード主義武装集団が砲撃を行った。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺、タッルアース村、クマイナース村、ファイルーン村、カフルナブル市・ヒザーリーン村間、シャーグーリート村
をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆、砲撃した。
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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(2月5日付)によると、シャイフ・アリー村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線とハズム運動が再び交戦した。
またシリア人権監視団によると、ブライジュ村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(2月5日付)によると、「タクフィール主義テロリスト」がアレッポ市ナイル通り地区、バニー・ザイド地区、アフュラフィーヤ地区を砲撃し、1人が負傷、住宅などが被害を受けた。
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ヒムス県では、SANA(2月5日付)によると、イッズッディーン町、サアン村、西サラーム村、ドゥワイバ村、ウンム・リーシュ村、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, February 5, 2015、AP, February 5, 2015、ARA News, February 5, 2015、Champress, February 5, 2015、al-Durar al-Shamiya, February 5, 2015、al-Hayat, February 6, 2015、Iraqi News, February 5, 2015、Kull-na Shuraka’, February 5, 2015、al-Mada Press, February 5, 2015、Naharnet, February 5, 2015、NNA, February 5, 2015、Reuters, February 5, 2015、SANA, February 5, 2015、UPI, February 5, 2015などをもとに作成。
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