アレッポ県で活動するシャーム戦線は25日付で声明を出し、「穏健な反体制派」のハズム運動に対し、拘束中のシャームの民のヌスラ戦線メンバーを釈放するよう警告を発した。
シャームの民のヌスラ戦線は19日に声明を出し、ハズム運動が拘束中の戦線メンバー複数名をただちに釈放するよう求めていた。
この声明で、ヌスラ戦線は、反体制武装集団の対立を「ヌサイリー体制」が利さないようにするため、シャイフ・スライマーン村の明け渡しと拘束中のヌスラ戦線メンバーの釈放を条件に、アレッポ県で活動する武装集団との停戦に応じ、同村を回復したが、メンバーの解放が行われていないと批判、シャーム戦線に対して、ハズム運動に解放を迫っていた。
『ハヤート』(2月27日付)が伝えた。
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シャームの民のヌスラ戦線も25日付で声明を出し、「シャーム戦線は、ヌスラ戦線司令官であるアブー・イーサー・タブカ、アブー・ジャッラーフ、アブー・マーリク・ヒムスィーをハズム運動が4日前に殺害したと知らせてきた」と発表、報復としてハズム運動のすべての拠点を排除、殲滅すると表明した。
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これに対して、ハズム運動も声明を出し、「シャームの民のヌスラ戦線がアレッポ県北部での政府軍との戦闘を後退させている。シリア軍の攻撃は、ハンダラート丘陵地帯からバーシュカウィー村、ラトヤーン村にいたるヌスラ戦線の拠点複数カ所に対して行われた」と批判した。
また「ヌスラ戦線側も戦闘員を拉致し、背教、西側との内通といった嫌疑をかけて戦闘を煽っている」と指弾し、自らが拘束しているヌスラ戦線のメンバーに関しては「シリア・イスラーム評議会、シリア・ウラマー連名、シャーム・ウラマー連名、アレッポ・シャリーア評議会、イドリブ・ウラマー連名、革命ウラマー連合、シャームの国のウラマー集団」など独立したシャリーア関連組織に引き渡す用意があるとの意思を示した。
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シリア・イスラーム評議会は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線とハズム戦線の双方に対して、「戦闘と脅迫は対立を解消しない」と説得、中立的なシャリーア法廷での紛争解決を呼びかけた。
AFP, February 26, 2015、AP, February 26, 2015、ARA News, February 26, 2015、Champress, February 26, 2015、al-Hayat, February 27, 2015、Iraqi News, February 26, 2015、Kull-na Shuraka’, February 26, 2015、al-Mada Press, February 26, 2015、Naharnet, February 26, 2015、NNA, February 26, 2015、Reuters, February 26, 2015、SANA, February 26, 2015、UPI, February 26, 2015などをもとに作成。
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