シリア革命反体制勢力国民連立の有力メンバーの一人スハイル・アタースィー女史はフェイスブックを通じて声明(3月2日付)を出し、トルコを拠点に人道支援にあたっているとされる支援調整ユニットの代表を辞任する、と発表した。
「過去2年にわたり、捧げることのできるすべてを捧げてきた。だから今日、辞任し、ユニットを去ることを決意しました…。再び政治活動…に戻る段階にあります。シリア革命は依然としてさらなる政治活動、そしてアラブ世界と国際社会の支援が必要です」というのが、辞任の理由だという。
アタースィー女史は、2011年3月半ば、ダマスカス県中心部で政治犯釈放を求めるデモを指導するなど、「アラブの春」のシリアへの波及を牽引した活動家で、2011年に当局に拘束・釈放後、フランスなどからアサド政権打倒を主唱、シリア革命調整連合、シリア国民評議会などを経て、シリア革命反体制勢力国民連立に参加した。
2014年12月にシリア革命反体制勢力国民連立副議長を辞職、また2015年1月の政治委員会選挙で落選している。
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一方、トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のサーリム・ムスラト報道官は声明を出し、「シリアにおけるイラン政府の公然たる軍事介入は、シリア国民への脅迫にとどまらず…シリア国境を越え、地域全体への脅威となっている」と批判、エジプト政府やアラブ連盟事務副長が提案しているダーイシュ(イスラーム国)に対する「アラブ合同軍」を(ダーイシュではなく)、シリアへのイランの介入に充てるよう呼びかけた。
AFP, March 4, 2015、AP, March 4, 2015、ARA News, March 4, 2015、Champress, March 4, 2015、al-Hayat, March 5, 2015、Iraqi News, March 4, 2015、Kull-na Shuraka’, March 4, 2015、al-Mada Press, March 4, 2015、Naharnet, March 4, 2015、NNA, March 4, 2015、Reuters, March 4, 2015、SANA, March 4, 2015、UPI, March 4, 2015などをもとに作成。
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