ケリー米国務長官「最後には(アサド大統領と)交渉しなければならない」、米・シリア諜報機関が「非敵対的に連絡」か(2015年3月15日)

ジョン・ケリー米国務長官は、CBS(3月15日付)とのインタビューで、米国側にアサド大統領と交渉する意思はあるかとの問いに、「我々は最後には交渉しなければならない」と述べた。

ケリー国務長官の主な発言(http://www.cbsnews.com/news/us-willing-to-negotiate-with-syria-assad/)は以下の通り:

「我々はジュネーブ1(2012年6月のジュネーブ合意)・プロセスの文脈において交渉しようとしいる」。

「我々が推し進めようとしているのは、彼(アサド大統領)にそうさせ(紛争を終息させ)ることだ。そうさせるため、さまざまな種類の圧力をこれまで以上に彼にかけることが必要となろう」。

「こうした圧力をかけるのに資するようなさらなるステップを検討しているということをはっきりさせておきたい」。

「アサド政権に交渉させるため、我々は、みなが政治的成果をめざし、交渉に関する彼の考えを変える決意があるということを、彼(アサド大統領)に示さなければならない」。

「こうした動きが現在進行中だ。そして私は、同盟国らの努力で、アサドにさらなる圧力がかけられると確信している」。

CBS, March 14, 2015

CBS, March 14, 2015

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マリー・ハーフ国務省副報道官は、CBSでのジョン・ケリー米国務長官の発言に関して、アサド大統領自身との交渉を意図したものではないと訂正した。

ハーフ副報道官は「アサド政権の代表がこのプロセス(紛争解決)の一部になる必要があるのは当然だ。しかし、交渉するのはアサドではなかった、そうなることもないだろう。国務長官は今日、そうは言わなかった」と述べた。

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一方、『ハヤート』(3月15日付)は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が、「アラブの春」がシリアに波及してから5年目となる3月15日の「数日前」、西側の複数の高官から、フランスは移行期開始に先立って、アサド大統領の退陣を前提条件とはもはやしていないと伝えられるとともに、米国・シリア両国の諜報機関が「非敵対的に連絡」をとっていると指摘したと報じた。

AFP, March 15, 2015、AP, March 15, 2015、ARA News, March 15, 2015、Champress, March 15, 2015、CBS, March 15, 2015、al-Hayat, March 16, 2015、Iraqi News, March 15, 2015、Kull-na Shuraka’, March 15, 2015、al-Mada Press, March 15, 2015、Naharnet, March 15, 2015、NNA, March 15, 2015、Reuters, March 15, 2015、SANA, March 15, 2015、UPI, March 15, 2015などをもとに作成。

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