シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・ヒクマト・ワリード最高監督者はトルコのイスタンブールで『ハヤート』(3月18日付)のインタビューに応じ、「イスラーム的な原則に基づく文民国家」をめざしている、と述べた。
ワリード最高監督者は「同胞団はテロ運動ではない。その思想、行動がその最大の証拠だ…。ムスリム同胞団はシリアでイスラーム国家を樹立しようとしているのではなく、イスラーム的な原則に持った文民国家をめざしている…。シャリーアに基づく国家と、イスラーム的な原則を持った文民国家は異なっている…。同胞団はシリアのいかなる政治・軍事組織をも支配しようとしていない。その役割は既存の政治組織に参加することに制限される。これまでの会議に出席する際も、同胞団の名前では参加せず、シリア国民評議会ないしはシリア革命反体制勢力国民連立の代表として参加してきた」と述べた。
また「同胞団とダーイシュ(イスラーム国)…は異なっている。同胞団は革命に参加し、シリア国民のため、法と正義に基づくイスラーム的原則に沿った文民国家を樹立しようとしている。一方、ダーイシュはダーイシュ的な概念の国家をめざしている…。シリアで我々が目の当たりにしている蛮行は、いかなる人間、いかなる啓示法にも受け入れられない」と付言した。
さらに「同胞団は、シリアのシーア派や政権のテロを黙認したり、過激なスンナ派のテロに甘んじるようなかたちでテロを恣意的に定義はしない」と強調した。
AFP, March 17, 2015、AP, March 17, 2015、ARA News, March 17, 2015、Champress, March 17, 2015、al-Hayat, March 18, 2015、Iraqi News, March 17, 2015、Kull-na Shuraka’, March 17, 2015、al-Mada Press, March 17, 2015、Naharnet, March 17, 2015、NNA, March 17, 2015、Reuters, March 17, 2015、SANA, March 17, 2015、UPI, March 17, 2015などをもとに作成。
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