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国内の暴力
国連は、イスラエル占領下のゴラン高原に隣接する地域(ダルアー県)で反体制武装集団約30人がUNDOFの要員21人を拘束したと発表した。
これに関して、「ヤルムーク殉教者旅団」を名のる集団が、ユーチューブ(3月6日付、http://www.youtube.com/watch?v=aQMEtlHAPro)を通じて犯行を認める声明を出した。
http://www.youtube.com/watch?v=aQMEtlHAPro
声明で反体制武装集団は、シリア軍に対して24時間以内にゴラン高原近くのジャムラ村(ダルアー県)から撤退するよう要求、米国や国連に対しても、アサド政権に撤退を働きかけるよう求めた。
また要求に応じない場合、拘束された国連要員を囚人として扱うと警告した。
一方、国連安保理はただちにプレス向け声明を出し、シリアの反体制武装集団によるUNDOF要員の拉致を厳しく非難、即時釈放を求めた。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が制圧したラッカ市に対する軍の空爆により、数十人が死傷した。
空爆は治安機関や政府関連の施設に対して行われたという。
ラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、総合情報部、県知事公邸を含むほとんどの政府関連施設が反体制武装集団に制圧され、軍事情報局周辺で激しい戦闘が行われているという。
また政治治安部施設が制圧されたかどうかは不明だという。
しかし、シリア・クルド青年調整連合広報局は、ラッカ市の政治治安部支部施設が反体制武装集団に制圧された、と発表した。
また反体制武装集団は、軍、バアス大隊、国防隊の兵士300人以上を捕虜として拘束している、という。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市旧市街、ハーリディーヤ地区などに軍が砲撃を加えた。
また同市ワアル地区では、国防隊兵士3人が誘拐され、数時間後に遺体で発見された。
一方、SANA(3月6日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ワリード大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市、ダーライヤー市などの郊外に対して、軍が空爆を加えた。
一方、SANA(3月6日付)によると、ダーライヤー市、リーマー市郊外、マアルーラー市郊外、ドゥーマー市、リーハーン農場郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、SANA(3月6日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。
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アレッポ県では、SANA(3月6日付)によると、ラスム・アッブード村、タッル・ハースィル村、マンナグ村、マルアナーズ村、カフルハムラ村、フライターン市、ハーン・アサル村、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市では、旧市街(ウマイヤ・モスク周辺)、マサーキン・ハナーヌー地区、シャイフ・サイード地区、ブスターン・カスル地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(3月6日付)によると、アブー・ズフール市郊外、タッル・サラムー市、ウンム・ジャリーン村、マジャース市、シャマーティヤ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘を含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(3月6日付)によると、ハサカ市ムシャイリファ地区の紡績工場が反体制武装集団の襲撃を受け、炎上した。
同報道によると、襲撃は、ハサカ市と県北東部の都市を結ぶ検問所が近くにあったためだという。
またクルディーヤ・ニュース(3月6日付)は、ハサカ市の軍事情報局施設とバアス党ハサカ支部施設が未明に何者かの襲撃を受け、党施設の守衛1人が死亡、武装集団メンバー1人が負傷したと報じた。
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ハバル・プレス・ネット(3月6日付)は、シリアでテロ活動を行うサラフィー主義戦闘員数千人(SANA、3月7日付)のなかで、死亡した外国人戦闘員の顔写真、氏名などを公開した。
シリア政府の動き(国内の動き)
シリアの外務在外居住者省は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立にシリアの代表権を与えるとしたアラブ連盟外相会議の決定を「あらゆる代償を払ってでもシリアに軍事的介入を招き入れようと執着している」と厳しく非難した。
同声明で、外務在外居住者省は、アラブ連盟が紛争当初から、軍事介入をめざし、政治的解決を阻害しようとする一部のアラブ諸国、諸外国の利益に偏った姿勢をとってきたと非難した。
また「シリアの反体制勢力の限られた当事者」への代表権の付与が、カタールとサウジアラビアの偏った姿勢に依拠していると糾弾、シリアはこうした決定を拒否すると表明した。
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マフムード・ズウビー情報大臣は、ダマスカス県のアサド図書館でのシンポジウムで、「シャームの民のヌスラ戦線によるラッカ県への襲撃と犯罪行為は、彼らがアレッポ、ダマスカスでシリア・アラブ軍に敗北した結果としての動きで、市民に恐怖を与え、その愛国的な姿勢に復讐しようとするものだ」と述べた。
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SANA(3月6日付)によると、ヒムス県タッルカラフ市郊外のハーラート村、ハマー県ムハルダ市郊外のトゥライミサ市で、住民が、軍支持、テロ根絶、治安回復を訴えるデモを行った。
反体制勢力の動き
反体制ストリーミング放送オリエント・テレビ(3月6日付)は、ラッカ市県知事公邸で身柄を拘束されたハサン・ジャリーリー県知事、バアス党ラッカ支部指導部のスライマーン・スライマーン書記長、そして公邸を制圧した反体制武装集団へのインタビュー映像を公開した。
映像によると、公邸を制圧したのはイスラーム統一解放戦線とシューラー戦線で、前者のアミールを名のる人物は、その話し方(方言)からシリア人でないことが分かる。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=HE0Zask4qiw
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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、訪問先のブリュッセルでEU議会の中道政党代表らに対して、「支援が受けられればアサド政権を1ヶ月で退陣させることができる」と述べ、外国の武器供与だけが頼みの綱であることを吐露した。AFP(3月6日付)が報じた。
またアラビーヤ(3月6日付)によると、イドリース参謀長は「我々は紛争を停止したいが、政府がそれを拒否している」としたうえで、「体制はダマスカスでの戦闘に負ければ崩壊するだろう」と自明の理を述べた。
イドリース参謀長はまた、いかなるアラブ諸国とも紛争を行いたくないと述べ、イラク軍との戦争が不本意であること暗示しつつ、イランとヒズブッラーについてはアサド政権を支援し、紛争に介入していると非難した。
一方、自身の離反に関して、イドリース参謀長が自分の故郷の村が軍の攻撃を受け、4人の村人が殺害され、家々が略奪されたことが主な理由だと述べる一方、政府がモスクを砲撃し、キリスト教徒の村や教会していると主張、自由シリア軍はこうしたことは行わないと強調した。
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シリア革命反体制勢力国民連立のアブドゥルアハド・アスティーフー(アッシリア教徒)は、AKI(3月6日付)に対して、トルコのガズィアンテップ市で選出されたアレッポ県地元評議会およびアレッポ市議会に関して、「民主的に選出された」と評価しつつ、キリスト教徒と女性が選出されなかったことに「憤り」を感じると述べた。
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ハサカ県のタッル・タムル町では、「タッル・タムル町のアラブ諸部族」が声明を出し、3月2日に同市郊外の民主統一党人民防衛隊検問所で発生したシャッラービーン部族子息の殺害事件に関して、シリア・クルド国民評議会、アッシリア民主機構などの仲介により、民主統一党とシャラービーン部族が以下の点を合意したと発表した。
1. 責任者の処罰。
2. タッル・タムル町内の民主統一党人民防衛隊の検問所撤廃。
3. 市内での党旗などの掲揚の禁止。
4. 地元評議会を再編し、軍事情報局施設を評議会本部とすること。
諸外国の動き
アラブ連盟の第139回定例外相会議がカイロで開催され、シリア情勢などへの対応が協議された。
『ハヤート』(3月7日付)などによると、シリア情勢への対応をめぐっては、反体制武装集団を支援するカタールを中心とする国々と、イラク、アルジェリア、そしてレバノンなど内政干渉に反対する国々との間で激しい対立が生じた。
この会議で議長国の任期を終えるレバノンは、アドナーン・マンスール外務大臣が開会の辞で、「我々の会合へのシリアの参加資格凍結を解除しよう」と呼びかけ、「政治的解決を実現するには、シリアと改めて連絡を取り合い、同国を救済し、抱擁することが必要だ」と訴えた。
また「今日シリアを包む戦争の炎、おしてあらゆる場所を打ち壊しているタクフィール主義運動の炎は、我々が沈め、抑制しなければ、明日には我々の家すべてを焼き尽くすだろう」と警鐘を鳴らした。
さらに「アラブの現体制は、我々すべてを苦しめているシリア危機の前に立ちながら、当事者どうしの国民対話を通じた政治的解決を実現することができなかった。我々がそのことに失敗したことは、世界において明らかとなっている。我々が成功したことといえば、連盟会合におけるシリアの参加資格を凍結することぐらいだった」と述べた。
複数の外交筋によると、イラクのホシェリ・ゼバリ外務大臣も、シリアの反体制組織にアラブ連盟の代表権を与えることは危険だと述べ、こうしたことをすれば近い将来、エジプトの代表権を野党連合の国民救済戦線が要求することになる、と警鐘を鳴らした、と報じた。
これに対して、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、「シリアの流血の責任はバッシャールにある」とマンスール外務大臣の発言に反論し、自由シリア軍やシリア革命反体制勢力国民連立への軍事支援を提案した。
しかし、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、カタールのこの提案を却下し、「戦争によって対立は終わらない、我々は殺戮と破壊を止めるため対話を呼びかけねばならない」と述べた、という。
またアラビー事務総長は開会の辞で、「シリア危機の解決に向けた政治的トラックを活性化させるための希望の光はある」と述べたうえで、「アサド政権がめざしている軍事的解決という幻想のもと、この光を打ち消さないようにする必要がある」と強調、そのうえで、シリア政府に対して、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長のイニシアチブに応えるよう求めた。
なお、外相会合に先立って、サウジアラビア、エジプト、カタールの外相とアラビー事務総長が非公式会合を行い、シリア政府の連盟代表権資格停止の解除を阻止することで合意していたという。
最終的に、アラブ連盟外相会議は、在外の反体制活動家のみによって構成されるシリア革命反体制勢力国民連立に、連盟およびその下部組織におけるシリアの代表としての参加資格を与えることを決定し、ドーハで今月に予定されている連盟首脳会談に参加するための執行委員会の設置を呼びかけた。
これに関して、アラビー事務総長は、シリア革命反体制勢力国民連立にシリアの代表権を与えるとのアラブ連盟外相会議の合意は、同連立がこの代表権を行使するための執行委員会を設置し、来月末のカタールの首都ドーハでの首脳会談に出席できるようになるまで凍結されるだろう、と述べた。
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ジョン・ケリー米国務長官は、カタール滞在中にフォックスTV(3月6日付)のインタビューに応じ、そのなかで「多くの国が(軍事)教練を行っている」と述べた。
ケリー国務長官は「重要なのは、アサド大統領が…現下の方法を改め、自らの同盟者たちにこう言うことだ。交渉のテーブルに着き、平和的解決にいたらねばならない、と」と述べた。
ケリー国務長官は、欧州・中東諸国の歴訪を終え、6日に米国(ワシントンDC)に帰国した。
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『ハヤート』(3月6日付)は、イスラエル諜報筋の話として、エフード・バラク国防大臣がチャック・ヘーゲル米国防長官、マーティン・デンプスィー米陸軍参謀長との会談で、イスラエルがシリアの化学兵器の使用に充分備えていないとの非難を受けたと報じた。
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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は議会で、シリアの反体制武装集団への護身用装備、装甲車両の供与を増大させると述べる一方、危機の平和的解決がもたらされなければ、英国とEUはさらなる措置を行うべきだと強調した。
ヘイグ外務大臣は、2,000万米ドル(154万ユーロ)相当の準軍事支援が、シリアで人道被害が激化するなかでの「必要、適切、法的な要請」によると主張した。
外務大臣によると、英国は「民間人を保護するための新たな非戦闘的装備」を供与する予定で、そのなかには四輪駆動の装甲車や防護服が含まれるという。
その一方で、「シリアの紛争への西側諸国の軍事介入を呼びかける西側政府はない」と述べた。
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ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェビィッチ報道官は声明を出し、「国際社会は、軍事的方法によるシリアの紛争の解決が不可能だと理解している…。軍事的シナリオ実施の試みは…惨劇をもたらす」と述べ、反体制武装集団への支援を強めようとする欧米諸国、湾岸アラブ諸国を案に非難した。
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アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は、声明を出し、シリア国内外の避難民に関して、「100万人が国外で、数百万人が国内で」避難生活を送っており、また「毎日数千人が国境を越えて」避難していると述べた。
レバノンの動き
進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、『アフバール』(3月6日付)のインタビューに応じ、そのなかで「私はシリア政府に対抗するシャームの民のヌスラ戦線を支持している…。シリア国民は体制に反対するため、イスラエル以外の悪魔と与する権利がある」と述べた。
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ナジーブ・ミーカーティー首相は、アラブ連盟外相会議でのアドナーン・マンスール外務大臣の発言に関して、「レバノン政府は依然として不関与政策を続けている」と述べ、牽制した。
なおミーカーティー首相は5日、テレビのインタビューに対して「(マンスール外務大臣)は政府の立場を代表していない…。シリアに関する外務大臣の姿勢に私は同意していない」と述べた。
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サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るレバノンのサアド・ハリーリー前首相は、アラブ連盟外相会議でのアドナーン・マンスール外務大臣の発言に関して、「シリアでの流血事態に関して、レバノン政府が果たしてきた真の醜い役割の極みだ」と非難した。
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レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、アラブ連盟外相会議でのアドナーン・マンスール外務大臣の発言に関して、「シリア問題について発言する前にまず大多数のレバノン国民の姿勢を考慮すべきだった…。少なくとも政府の同意を得るべきだった」と批判した。
AFP, March 6, 2013、al-Akhbar, March 6, 2013、Akhbar al-Sharq, March 6, 2013、AKI, March 6, 2013、Alarabia.net,
March 6, 2013、al-Hayat, March 6, 2013, March 7, 2013、Alkhabarpress, March 6, 2013、Kull-na Shuraka’,
March 6, 2013、al-Kurdiya News, March 6, 2013、Naharnet, March 6, 2013、Reuters,
March 6, 2013、SANA, March 6, 2013、UPI, March 6, 2013などをもとに作成。
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