イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官、アル=カーイダ系組織(シャーム自由人イスラーム運動)との連携を認める(2015年5月18日)

イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官は、スーリーヤ・ネット(5月18日付)に対し、アル=カーイダ系組織であるシャーム自由人イスラーム運動と連携していることを認めた。

アッルーシュ司令官は「我々とシャーム自由人イスラーム運動の兄弟の間で調整がなされており、我々は一部の戦線においてともに戦っている…。この調整はシャーム自由人イスラーム運動に限られず、我々はほかの組織とも調整を行っている…。イスラーム軍は東グータ地方のすべての組織が統合司令部の傘下に入ることを臨んでいる…。現時点において、一つの司令部のもとにこれらの組織が合併されることが必要だと考えるに至っている」と述べた。

また政権打倒後のヴィジョンについては「具体的なプランがあり、東グータ地方ですでに採用されている。我々は司法を通じて、グータ地方の治安を維持し、混乱の拡大を防ぐのに資してきた…。東グータ地方の状況はダマスカスよりも安定しており、誘拐や窃盗は発生していない…。我々のプランは、公共施設を保護し、市民の財産の不可侵を保障することを基礎としている…。また国家機関の維持は我々にとって優先事項だ。なぜならこれらの機関は人民の財産だからだ」と述べた。

また「我々は(体制打倒後に)シリア軍の一部となり、祖国と民間人の保護を任務としたいと願っている。そのためには道徳的に律せられ、国民を殺害するのではなく、彼らのためにその能力を高める軍事的機関とならねばならない…。将来のシリア軍は政権に対して武器をとった者を必要としている」と答えた。
一方、ダーイシュ(イスラーム国)との関係については、「イスラーム軍などの組織において、我々はこの組織に対抗し続ける…。シリアのダーイシュに未来はない」と述べた。

またアサド政権については「民兵の連合組織になりさがり、イラン人が政権の決定権を掌握している」と断じた。

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クッルナー・シュラカー(5月19日付)は、イスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ報道官は、ザフラーン・アッルーシュ司令官の「我々は(体制打倒後に)シリア軍の一部となることを願っている」という発言に関して、「現在のシリア軍はあらゆる意味で腐敗しきっており、反体制武装部隊による根絶、武器および兵舎の接収が必要だ…。我々は清廉な武装部隊を統合し、未来のシリアを担う軍隊にしたい」と否定した。

AFP, May 19, 2015、Alsouria.net, May 18, 2015をもとに作成、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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