進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、首都ベイルートで開かれたドゥルーズ派司法評議会の特別会合に出席後、イドリブ県カルブ・ルーザ村でのシャームの民のヌスラ戦線によるドゥルーズ派約20人の処刑(10日)について発言し、事件を「個別の事件」と述べ、冷静に対処するよう呼びかけた。
ジュンブラート党首は、「我々はドゥルーズ派に犠牲者が出たことに反対する。シリア全土で毎日数百人を殺害しているシリア政府の空爆に反対する。我々はシリアの悲劇を忘れてはならない」としたうえで、カルブ・ルーザ村での処刑に関しては「個別の事件であり、我々は地域各国と連絡を取り合うことでそれに対処する」と述べた。
なお、『ハヤート』(6月12日付)は、ジュンブラート党首が、11日にトルコとカタールの高官と電話会談し、イドリブ県カルブ・ルーザ村でのシャームの民のヌスラ戦線によるドゥルーズ派住民約20人の処刑(10日)をめぐって、現地での停戦を支援するよう要請、これを受け、事態が収束したと伝えた。
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一方、ナハールネット(6月12日付)によると、これに先立ちイスラーム・タウヒード運動代表でシリア政府を支持するウィアーム・ワッハーブ氏は「レバノン全土の敬虔なドゥルーズ派は戦う用意ができている…。我々はどこであっても武器を手にするだろう。シャームの民のヌスラ戦線とつながりがあったり、彼らと協力する者は、レバノンのどこにいても歓迎されない」と述べた。
AFP, June 12, 2015、AP, June 12, 2015、ARA News, June 12, 2015、Champress, June 12, 2015、al-Hayat, June 13, 2015、Iraqi News, June 12, 2015、Kull-na Shuraka’, June 12, 2015、al-Mada Press, June 12, 2015、Naharnet, June 12, 2015、NNA, June 12, 2015、Reuters, June 12, 2015、SANA, June 12, 2015、UPI, June 12, 2015などをもとに作成。
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