アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ウンム・フーシュ村を制圧したダーイシュ(イスラーム国)がトルコ国境に近いマーリア市に進軍し、同地を支配する反体制武装集団(「自由シリア軍」を名乗る武装集団)と交戦した。
この戦闘で反体制武装集団戦闘員25人とダーイシュ戦闘員8人が死亡した。
マーリア市は、米トルコ両政府が「安全地帯」に設置することに合意したとされる地域内に位置しており、同地域ではアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が有志連合には参加できないとして撤退し、スルターン・ムラード旅団などに拠点を明け渡す一方、ダーイシュが攻勢を強めていた。
一方、SANA(8月11日付)によると、西クワイリス村、アルバイド村、東クワイリス町、ターディフ市、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
一方、SANA(8月11日付)によると、タドムル市、ワーディー・マースィク一帯、東サラーム村、スルターニーヤ村、柑橘農園一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所東部、マギーズィール村、フワイスィース村、マハッサ地区一帯、カルヤタイン市南部などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、ARA News(8月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシャッダーディー市で、メンバーの一人でアブー・ウマル・ジャズラーウィーを名乗るサウジアラビア人医師とヤズィード教徒のクルド人女性看護師2人が、「メンバー5人がAIDSに感染したとの情報を流した」として処刑した。
ダーイシュはまた、シリア人および外国人メンバー80人以上をシャッダーディー市で処刑し、郊外に遺棄したという。
処刑されたメンバーは、最近のハサカ市一帯での戦闘での任務放棄などの罪を問われて処刑されたという。
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米中央軍(CENTCOM)は、8月11日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は9回におよび、ハサカ市近郊(5回)、アレッポ市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。
AFP, August 11, 2015、AP, August 11, 2015、ARA News, August 11, 2015、Champress, August 11, 2015、al-Hayat, August 12, 2015、Iraqi News, August 11, 2015、Kull-na Shuraka’, August 11, 2015、al-Mada Press, August 11, 2015、Naharnet, August 11, 2015、NNA, August 11, 2015、Reuters, August 11, 2015、SANA, August 11, 2015、UPI, August 11, 2015などをもとに作成。
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