イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、ロシアの首都モスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、イラン核開発をめぐる協力、シリア情勢などを含む中東情勢、ウクライナ情勢について協議した。
会談後の共同記者会見で、ラブロフ外務大臣は、シリア情勢に関して「シリアの危機を解決するための努力と協力を強化することを集中的に協議した」としたうえで、「シリアの危機は、平和的、外交的、政治的なかたちでのみ解決し、外国が介入せずに、すべてのシリアの当事者による話合いのなかでのみ到達し得る。シリアの未来はシリア人自身が決する」と強調した。
また「我々の立場は当初から変化していない…。我々は常に、シリアの未来と運命が…外国の介入や前提条件のないかたちで、シリア人自身の手のなかにあることを支持してきたし、常に支持している」と述べた。
また米国、湾岸諸国の対シリア政策をめぐっては、「解決策は政治的であるべき」との点で意見が一致しているが、シリア指導部の将来をめぐっていくつかの対立点があることを明らかにした。
そのうえで「シリア国民が国とその指導部の運命を決定する。ロシアは、シリアの合法的な指導部が移行期終了とともに退陣するようあらかじめ合意することを、条件として受け入れることはできない」と強調した。
一方、ザリーフ外務大臣も「イランとロシアは、外国の干渉を排除したかたちでシリアの危機解決を解決するという点で共通の姿勢をとっている…。我々は、シリア国民が自らの運命を決し、諸外国はこれを促さねばならないという点で一致している。我々はシリア国民が自らの運命を決し、危機を解決するにあたって、前提条件を課してはならない」と述べた。
AFP, August 17, 2015、AP, August 17, 2015、ARA News, August 17, 2015、Champress, August 17, 2015、al-Hayat, August 18, 2015、Iraqi News, August 17, 2015、Kull-na Shuraka’, August 17, 2015、al-Mada Press, August 17, 2015、Naharnet, August 17, 2015、NNA, August 17, 2015、Reuters, August 17, 2015、SANA, August 17, 2015、UPI, August 17, 2015などをもとに作成。
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