アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がイドリブ県におけるアブー・ズフール軍事飛行場を完全制圧、シリア軍は最後の軍事拠点を喪失(2015年9月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義集団が、県内におけるシリア軍の最後の軍事拠点だったアブー・ズフール航空基地を完全制圧した。

アブー・ズフール空軍基地はイドリブ県最大の航空基地だったが、2年以上にわたりヌスラ戦線らの包囲を受けており、同基地から作戦を遂行するための戦闘機などは残っていなかったという。

Kull-na Shuraka', September 8, 2015

Kull-na Shuraka’, September 8, 2015

Kull-na Shuraka', September 8, 2015

Kull-na Shuraka’, September 8, 2015

Kull-na Shuraka', September 8, 2015

Kull-na Shuraka’, September 8, 2015

Kull-na Shuraka', September 8, 2015

Kull-na Shuraka’, September 8, 2015

Kull-na Shuraka', September 8, 2015

Kull-na Shuraka’, September 8, 2015

これに関して、マサール・プレス(9月9日付)は、「革命家」たちがシリア軍兵士多数を殺害、捕捉したとしつつ、基地内の武器弾薬などは、シリア軍が撤退する際にほとんど破壊、焼却されていた、と伝えた。

アブー・ズフール航空基地の制圧により、シリア政府支配下に残っているイドリブ県内の要衝は、フーア市、カファルヤー町を残すのみとなった。

フーア市、カファルヤー町は、シーア派住民が多く、住民から構成される国防隊、人民防衛隊(いわゆる人民防衛諸組織)がヒズブッラーの指導のもと、同地周辺一帯でファトフ軍との戦闘を続けている。

シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地を放棄したシリア軍守備隊とヌスラ戦線などが交戦を続けているという。

なお、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地の最終攻防戦では、シリア軍兵士120人以上が死傷、捕捉されたのに対し、ヌスラ戦線側の犠牲者は数十人だったという(シリア人権監視団はその後(10日)、アブー・ズフール航空基地攻防戦で、シリア軍兵士56人が死亡、40人あまりが捕捉され、また数十人が行方不明になっていると発表した)。

一方、SANA(9月9日付)も、シリア軍アブー・ズフール航空基地守備隊が、「テロ集団」との熾烈な戦闘の末、基地内の拠点を放棄し、基地外の拠点に最集結したと報じ、同基地放棄を認めた。

SANAによると、反体制武装集団は、折から続く悪天候(砂嵐)で視界が悪い状況に乗じて、基地内に潜入、これを受け守備隊は9日早朝に基地を放棄したという。

守備隊が放棄した基地内には、3年間におよぶ戦闘で使用できる武器弾薬は放置されていないという。

SANAによると、シリア軍はしかし、マウザラ村一帯を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、マアルカバ村一帯で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦し、反体制武装集団が同村を制圧した。

一方、SANA(9月9日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍が、ザバダーニー市でジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、ザバダーニー市に隣接するマダーヤー町を空爆した。

一方、SANA(9月9日付)によると、シリア軍とレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)が、ザバダーニー市で反体制武装集団の掃討作戦を継続し、ナーブーア地区内の複数の建物群を新たに制圧した。

シリア軍はまた、タッル・クルディー町農場地帯、リーハーン農場に潜入しようとしたイスラーム軍を撃退した。

クッルナー・シュラカー(9月9日付)などは、イスラーム軍がダマスカス中央刑務所(サイドナーヤー刑務所)一帯に進攻し、その一部を制圧したと報じたが、SANAはこれを否定した。

他方、東グータ地方で活動するラフマーン軍団とイスラーム軍は共同声明を出し、合同作戦司令室を設置すると発表した。

クッルナー・シュラカー(9月9日付)が伝えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」にある反体制武装集団の拠点都市マーリア市一帯、ハルバル村、タラーリーン村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の交戦が続く一方、有志連合がマーリア市一帯のダーイシュ拠点に対して3回にわたり空爆を行った。

一方、SANA(9月9日付)によると、アレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区、ラームーサ地区、アシュラフィーヤ地区、ラーシディーン地区、ルトフィー地区、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、アーミリーヤ地区、シャイフ・アフマド地区、シャイフ・ハドル地区、ラドワーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月9日付)によると、西ガーリヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、September 11, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Masar Press Agency, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カテゴリー: シリア政府の動き, 反体制勢力の動き, 国内の暴力 パーマリンク