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国内の暴力
アレッポ県では、シリア人権監視団が、反体制武装集団が軍との数日間に及ぶ戦闘の末、ティシュリーン・ダムおよび同ダム周辺の施設を制圧した、と発表した。
同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、「ダム制圧は非常に重要なステップだ。なぜなら、軍にとってラッカとアレッポを結ぶすべての街道が遮断されたことを意味するからだ」と述べ、人権団体でありながら、反体制武装勢力の戦果を鼓舞した。
また「ラッカからサウラを経由し、ユーフラテス川を越える旧街道は軍と反体制勢力によって割拠されており、軍は移動には利用できない。ティシュリーンを経由する別の街道は軍が掌握する最後の街道だが、現在は利用できない」と付言し、アレッポ市を孤立化する作戦が進展しているとの見方を示した。
ユーチューブではティシュリーン・ダムを制圧したと主張する武装集団の複数の映像がアップされているが、ダムが制圧されたとの事実確認はなされていない。
一方、SANA(11月26日付)によると、アレッポ県シャッアール地区、旧市街、ナイラブ地区、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員など多数の戦闘員を殲滅、装備を破壊した。
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イドリブ県では、AFP(11月26日付)によると、軍が対トルコ国境から2キロの地点に位置するアティマ村およびその周辺を空爆した。
同報道によると、空爆は、自由シリア軍国内合同司令部が本部として使用している学校やシャームの鷹旅団の本務を狙ったもの。
シリア人権監視団によると、空爆はアティマ村とトルコ領内のシリア人避難民キャンプから数百メートルの距離に位置するカーフ村に対して行われ、同地域には多数の反体制武装勢力がおり、住民のほとんどは避難・退去して不在だったという。
また軍はハーリム市の反体制武装勢力の拠点に対しても空爆を加え、戦闘員1人が死亡、複数が負傷したという。
一方、SANA(11月26日付)によると、ハーリム市、ワーディ・ダイフ地点(マアッラト・ヌウマーン市近郊)、サラーキブ市、マストゥーマ村、キトヤーン村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員らを殺傷、装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カフルスーサ区の農園などに対して、軍・治安部隊が砲撃を加え、反体制武装勢力と交戦した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市などに対して、軍・治安部隊が砲撃を加え、反体制武装勢力と交戦した。
これに関して、シリア国民評議会は声明を出し、「ダーライヤー市で過去数日間に130人以上が死亡した」と主張した。
しかし、『ワタン』(11月26日付)は、ダーライヤー市が「過去数週間で、首都攻撃のためダマスカス郊外県の複数の地域から送り込まれたテロリストの塞と化していた」と報じた。
複数の消息筋によると、軍はダーライヤー市を四方から包囲しており、「近日中に決着をつける」のだという。
またムウダミーヤト・シャーム市、ザバダーニー市、ジュダイダト・アルトゥーズ町、リーハーン地方などでも軍・治安部隊の砲撃があり、9人が死亡した、という。
一方、反体制活動家が、ユーチューブ(11月26日付)に子供や若者の遺体5体の映像を公開し、ダマスカス郊外県ダイル・アサーフィール市で、軍が25日(日曜日)クラスター爆弾を投下し、死亡したと主張した。
これに関して、地元調整諸委員会も、クラスター爆弾の投下で10人の子供が「虐殺」され、多数が負傷したと主張した。
しかし、シリア人権監視団は、8人の子供が死亡したこととしつつ、クラスター爆弾が使用されたかどうかは確認できない、と発表した。
他方、SANA(11月26日付)によると、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、マシュタル市、ヤルダー市、アルバイン市、ダーライヤー市、フサイニーヤ町などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員など多数の戦闘員を殲滅、装備を破壊した。
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クナイトラ県では、SANA(11月26日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村、タルナジャ村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦市、使徒末裔大隊の司令官(ジャバーニー)ら複数の戦闘員を殲滅した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(11月26日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と応戦し、複数の戦闘員を殲滅した。
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ダルアー県では、SANA(11月26日付)によると、反体制武装勢力がダルアー市の警察署を襲撃したが、治安部隊が反撃し、戦闘員に甚大な被害を与えた。
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ヒムス県では、SANA(11月26日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、スルターニーヤ地区、ラスタン市、クサイル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、外国人戦闘員ら多数を殺傷した。
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ハマー県では、SANA(11月26日付)によると、マアーン市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦市、複数の外国人戦闘員を殲滅した。
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ハサカ県では、シリア・クルド国民評議会が声明を出し、ハサカ市でクルド人学生らがナイフや銃で武装した「自由シリア軍」を名乗る集団(グワイラーン地区のアラブ人)に暴行を受けたと発表した。
同声明によると、この集団はハサカ大学に向かうセルヴィスなどを停車させ、運転手にクルド人が乗っているか尋ね、乗っていた学生らに暴行を加えた、という。
反体制勢力の動き
民主的諸勢力国民調整委員会は広報局長の名で声明を出し、ロシアを訪問中のラジャー・ナースィルがRTに対して訪問の目的を「対話を通じて平和的且つ静粛な権力移譲を行い、多元的民主制を確立したい」と述べたにもかかわらず、RTが「調整委員会は体制と対話せず、移行期間と政権移譲に関して交渉するのみ」と発言したと報じた、と批判した。
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クッルナー・シュラカー(11月26日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立がカイロで会合を開き、ガッサーン・ヒートゥー、アスアド・アッシー、スハイル・アタースィーをそれぞれ人道支援委員会委員長、地元評議会調整支援委員会委員長、国際支援組織機構代表に任命した、と報じた。
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自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐は、「シリアの若者の90%が革命に参加している…。革命の勝利後に革命家たちは自らが拘束するイラン人逮捕者の記録を公開し、シリア国民の流血に関与した者は例外なく裁かれる…。(ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長やロシアも)処罰を免れないだろう」と述べた。クッルナー・シュラカー(11月26日付)が述べた。
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クッルナー・シュラカー(12月26日付)によると、自由シリア軍のハサン・アブドゥッラー大佐が、ハサカ県ラアス・アイン市をめぐる民主統一党人民防衛隊(YPG)との停戦に関する報道や発表の内容を否定、民主統一党の撤退などを骨子とする停戦合意を交わしたと反論、戦闘再開の意思を示した。
アブドゥッラー大佐によると、自由シリア軍と民主統一党は以下の合意を交わしたという。
1. 民主統一党の民兵はラアス・アイン市から撤退し、同市に再び立ち入らない。
2. 民主統一党の民兵は、自由シリア軍を攻撃しない。
3. 民主統一党は、アサド政権との協力を行わない旨誓約する。
4. 捕虜交換。
5. 民主統一党の重火器を自由シリア軍に引き渡す。
6. 自由シリア軍はラアス・アイン市の市民の権利を保護する。
7. 上記の項目を48時間以内に履行し、次のプロセスに入る。
8. 上記の項目へのいかなる違反も休戦破棄とみなす。
またアブドゥッラー大佐は、自由シリア軍がラアス・アイン地方からラッカ県のタッル・アブヤド地方に撤退したとの一部情報も否定した。
クルド民族主義勢力の動き
民主統一党人民防衛隊(YPG)総司令部は声明を出し、11月23日にイラク・クルディスタン地域で発表されたクルド統合軍に加わる準備はない、との意思を示した。
同声明においてYPGは「我々が統合し得る勢力はなく、またカーミシュリー、ダイリーク、アームーダーなどで最近結成された部隊のような…実態のない部隊が結成されることも認めない」と主張した。
また「統合軍を結成するという議論は、詭弁以外の何ものでもない」と批判した。
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クッルナー・シュラカー(11月26日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市の停戦を受け、トルコに避難していたシリア人数十人がラアス・アイン国境通行所を経由して、シリアに帰国した。
諸外国の動き
ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ首相は、フランス訪問(26日晩)に先立って、AFPおよび『ル・フィガロ』のインタビューに応じ、そのなかで、シリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の唯一の正統な代表」と承認したフランスの姿勢を「1970年に国連で採択された国際法の原則に従うと、いかなる国も、第3国の既存の体制に力づくで介入することはできない」と指摘、「特定の政治勢力をその主権の唯一の代表と承認することで第三国の体制転換をめざすことは、私にはまったくもって文明的なこととは思えない」と厳しく批判した。
また「アサドとその体制の運命を決するのは、これらの反体制勢力を含むシリア国民だ。しかし、これらの勢力は法的な手段で権力の座につくことが望ましく、他国から武器を受けとって政権をめざすべきでない」と付言、反体制勢力への武器供与を批判した。
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国連バレリー・アモス人道問題担当事務次長がヨルダンを訪問し、アブドゥッラー国王ら首脳の歓談、シリア人避難民にかかる問題に関して協議した。
ペトラ(11月26日付)によると、アモス事務次長は、「国連はシリア人避難民問題に二つのトラックで対応している。第1に、シリア国内のトラックで、国際NGO8団体とともに、衛生・医療サービスを必要とするより多くのシリア人への支援をめざしている。第2に、ヨルダンなどシリア人避難民を受け入れ、大きな負担を負っている近隣諸国との協力である」と述べた。
AFP, November 26, 2012、Akhbar al-Sharq, November 26, 2012、al-Hayat, November 27, 2012、Kull-na Shuraka’, November 26, 2012、al-Kurdiya News,
November 26, 2012, November 27, 2012、Naharnet, November 26, 2012、Reuters,
November 26, 2012、SANA, November 26, 2012、al-Watan, November 26, 2012などをもとに作成。
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