トルコで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表はイスタンブールで記者会見を開き、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線に対して、アル=カーイダからの脱退を宣言し、シリアの反体制派と共闘するよう呼びかけた。
ハウジャ代表は記者会見で、ロシア軍によるシリア領内で2,977人の民間人が犠牲になったと主張する一方、「ロシア軍のダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆の割合は6%にも満たず、そのほとんどが民間人と自由シリア軍を標的としている」と非難し、「ロシアによる空爆の継続と民間人殺戮によって、難民流出の波が増大する」と警鐘を鳴らした。
そのうえで、ヌスラ戦線に対して「アル=カーイダとのつながりを絶ち…、シリアのすべての武装組織に、革命のもとに開始された愛国的な路線をとる」よう呼びかけた。
また、ウィーン・プロセスに関しては、2012年6月のジュネーブ合意に沿った政治解決を求めると強調、「バッシャール・アサドとその取り巻きがいる限り、政治的解決はあり得ない」と述べ、改めて退陣を要求した。
シリア革命反体制勢力国民連立は、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動といったアル=カーイダ系組織からなるファトフ軍の進撃などに対して、革命家の成果などと賞賛してきた経緯がある。
なお、アル=カーイダからの離反に関しては、アル=カーイダのメンバーが中心となって発足したシャーム自由人イスラーム運動がアル=カーイダとの関係を否定し、トルコ、カタール、サウジアラビアといった国から支援を受けている。
しかし、ヌスラ戦線は国連安保理の国際テロリストのブラック・リストに記載されており、ヌスラ戦線がアル=カーイダからの脱退を宣言したとしても、国連安保理でブラック・リストから抹消されない限りは国際テロ組織との認定を免れない。
また、『ハヤート』(11月23日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、12月半ばに予定されているウィーン4会議に向け、「国際シリア支援グループ」(ISSG)各国は、反体制派を「合法的な反体制派」と「テロ組織」に峻別するための協議を続けていると伝えた。
このなかで、ダーイシュ、ヌスラ戦線に加えて、ファトフ軍を脱退したジュンド・アクサー機構、チェチェン人戦闘員を主体とするムハージリーン・ワ・アンサール軍をテロ組織に追加する動きが進む一方、サウジアラビア、カタール、トルコが後援するイスラーム軍やシャーム自由人イスラーム運動の処遇については、依然として意見の対立が続いているという。
AFP, November 23, 2015、AP, November 23, 2015、ARA News, November 23, 2015、Champress, November 23, 2015、al-Hayat, November 23, 2015, November 24, 2015、Iraqi News, November 23, 2015、Kull-na Shuraka’, November 23, 2015、al-Mada Press, November 23, 2015、Naharnet, November 23, 2015、NNA, November 23, 2015、Reuters, November 23, 2015、SANA, November 23, 2015、UPI, November 23, 2015などをもとに作成。
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