アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は米露による敵対行為停止合意発効を見据えてイドリブ県の拠点の一部を撤収するとともに、連携する諸勢力に停戦に応じた者を「裏切り者」とみなすと脅迫(2016年2月25日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(2月25日付)によると、サルマダー市を占拠していたアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が24日晩から、市内の拠点を包囲、退去した。

地元住民らによると、ヌスラ戦線は、法務局(裁判所)として使用していた施設、検問所などを住民に引き渡し、退去したという。

ヌスラ戦線はサルマダー市以外の一部地域からも退去を始めているという。

これに関して、クッルナー・シュラカーや『ハヤート』(2月26日付)は、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意が発効する27日以降、ヌスラ戦線の駐留によって、ロシア軍、シリア軍が空爆を継続することを回避する動きだと伝えた。

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『ハヤート』(2月26日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、イドリブ県内の支配地域、およびファトフ軍諸組織の支配地域の活動家に対してインターネットなどを通じて、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意に従った者を「裏切り者」とみなすとのメッセージを発信した。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

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