リヤド最高交渉委員会は2週間の期限付きで米露による敵対行為停止合意を受諾すると支援国に通達(2016年2月25日)

リヤド最高交渉委員会は、サウジアラビアの首都リヤドでの会合後に、米・ロシアによる敵対行為停止に関する合意を受けるかたちで、「2週間だけ暫定的に停戦」することを決定したと発表した。

支援国の代表らに宛てた覚書において、リヤド最高交渉委員会は「相手がどの程度合意を真摯に遵守する機会を見極めるための機会を作るべく、2週間暫定的に停戦する」ことを決定したと表明した。

また「シリアの民間人に対する殺戮、砲撃、政権やそれに与する宗派主義的民兵の犯罪、ロシア軍による民間人への無差別空爆を停止させようとするすべての努力を前向きに評価する」との姿勢を示す一方、「ダーイシュ(イスラーム国)、アル=カーイダ、ヒズブッラー、イラク、レバノン、イラン、アフガニスタンからの宗派主義的テロ民兵、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団の行為を含むあらゆる形態のテロ、過激主義を完全拒否する」と明言した。

一方、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意そのものについては「敵対行為においてロシアとイランが果たしている役割を無視している」と非難した。

さらに、シリア軍が「軍事作戦を継続する唯一の合法的な勢力」とみなされていると批判するとともに、「安保理決議がテロ組織と定める組織の支配下にあるとの理由で、停戦に含まれない領域が明確に限定されていない」と指摘、「停戦発効前にこの領域を確定する必要がある」と強調した。

そのうえで、国連安保理決議第2254号の第12~14項に沿って、シリア軍などの包囲に曝されている地域への人道支援物資の搬入、民間人への攻撃停止、難民帰還に向けた環境の整備、逮捕者釈放を改めて求めた。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.