ヒズブッラーのナスルッラー書記長「サウジアラビアはシリアとイエメンでの賭に負けて怒っている」(2016年3月6日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、サウジアラビアなどGCC諸国がヒズブッラーをテロ組織に指定したことに関して、「サウジアラビアはシリアとイエメンでの賭に負けて怒っている」と批判した。

アレッポ県での戦闘で戦死したヒズブッラー・メンバーのアリー・ファイヤード司令官の葬儀から1週間が経ったのに合わせて行ったテレビ演説で、ナスルッラー書記長は「この国(レバノン)を守っているのは、軍、国民、そして抵抗運動だ。アラブ連盟やアラブ諸国がイスラエルの侵攻を阻止するなどと期待している者は妄想しているだけだ」と述べた。

またサウジアラビア政府が、レバノン軍への財政支援を中止したことに関して、「我々はあなたがたに何も欲していない。金も武器も支援も望んでいない。抵抗運動、国、そして国民に関わらないで欲しい」と述べた。

一方、GCCがヒズブッラーをテロ組織に指定したことに関して、「ファイヤード氏と彼の兄弟は、ダーイシュ(イスラーム国)がモスル、アンバール、サラーフッディーン、キルクークに侵攻し、バグダードに迫り、イラク全土が危機に曝されたときにイラクに向かった…。我々はイラク人の指導のもとにイラクで戦っている。また我々が米国の指導のもとで戦っていたら、彼ら(GCC)は我々をテロリストとはみなさなかっただろう…。イラクの人民防衛隊がいなかったら、ダーイシュは今頃、あなた方の国の王宮に迫り、あなた方を殺し、あなた方の女性を奴隷にしていたことだろう」と述べた。

そのうえで「アラブの尊厳とは、すべてのアラブ人がイラクに赴き、イラクを守る者たちをテロリストと指定するのではなく、イラク人の尊厳や聖地を守る時に表れる…。サウジアラビアはシリアとイラクでの賭に負けたから怒っているのだ。彼らの怒りはレバノン全体に向けられている。なぜなら、彼らはレバノン国民を我々に対して激高させようとしているからだ…。サウジアラビアが、ダーイシュであれ、シャームの民のヌスラ戦線であれ、あるいは似たようなイデオロギーを持つグループであれ、誰が権力を掌握するかを考えずに、シリアで体制を転覆させようと計画していることを、レバノン人はよく知っている。シリアでサウジアラビアに抵抗している者が、レバノンの国益の真の防衛者でもあるのだ」と強調した。

Naharnet, March 6, 2016

Naharnet, March 6, 2016

 

AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.