デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表も停戦が「深刻な危機」に瀕していると警鐘、紛争での死者数が40人に達しようとしていると指摘(2016年4月23日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、ジュネーブの国連本部で記者会見を開き、ジュネーブ3会議第3ラウンドの協議を4月27日まで継続すると発表する一方、シリア国内でのシリア軍と反体制派の戦闘激化によって、2月27日に発効した停戦合意が「深刻な危機」に瀕していると警鐘を鳴らし、米・ロシアが主導する国際シリア支援グループ(ISSG)17カ国に対して、緊急閣僚会議を開催するよう要請した。

デミストゥラ国連特別代表はまた、シリアでの紛争による死者数が国連の推計で40万人に達しようとしていることを明らかにした。

デミストゥラ国連特別代表はまた、シリア国内で15の地域がシリア軍によって、また3地域が、「反体制派」ないしはダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受け、孤立していると付言した。

なお、シリアでの紛争の死者数は、シリア人権監視団が2月23日に27万人強と発表する一方、シリア政策研究センター(SCPR)が2016年2月に公表した報告書では、2015年末の段階で47万人に達したと発表している。

デミストゥラ国連特別代表はこの日、シリア政府代表団およびシリア国内で活動する反体制派・野党の使節団と会談した。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、April 24, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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