ナーティク・ネット(4月28日付)は、軍事情報局の工作員でダーイシュ(イスラーム国)の元ワーリー(執政官)のマーヒル・アフマド氏が、ジュネーブ3会議第3ラウンドで、シリア国内からの反体制派代表団(フマイミーム・グループ)の一員として参加していたと伝えた。
アフマド氏は1984年にハマー県で生まれで、車両管理局の職員を務めていたが、ダーイシュが登場した2013年に離反し、ダーイシュに参加し、ハマー県砂漠地区のワーリーに任命され、アブー・ウバイダを名乗っていた。
アフマド氏はその後、ダーイシュへの潜入という任務を終え、ダーイシュを離反、軍事情報局に復職し、ダイル・ザウル県でダーイシュの活動を監視する任務を与えられ、さらにその後は別の任務に就くためにダマスカスに呼び戻されたという。
アフマド氏は最近まで、近親の者でさえ消息を知ることはできなかったが、今年3月に入って、ラタキア県フマイミーム航空基地にあるシリア駐留ロシア空軍基地に突如として国内の反体制派の代表として姿を現し、またジュネーブ3会議第3ラウンドにも「フマイミーム・グループ」のメンバーの一人として参加したという。
AFP, April 29, 2016、Alnateq, April 29, 2016、AP, April 29, 2016、ARA News, April 29, 2016、Champress, April 29, 2016、al-Hayat, April 30, 2016、Iraqi News, April 29, 2016、Kull-na Shuraka’, April 29, 2016、al-Mada Press, April 29, 2016、Naharnet, April 29, 2016、NNA, April 29, 2016、Reuters, April 29, 2016、SANA, April 29, 2016、UPI, April 29, 2016などをもとに作成。
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