YPG主体のシリア民主軍はアサド湖(ラッカ県)北部、ティシュリーン・ダム(アレッポ県)でダーイシュと交戦(2016年5月30日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、「北ラッカ解放作戦」実施中のシリア民主軍(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導)がユーフラテス川の南岸に位置するタブカ市およびアサド湖北方に戦線を拡大、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またシリア軍との戦闘や有志連合による空爆で死亡したダーイシュ戦闘員の遺体16体と負傷者33人がラッカ市方面に搬送されたという。

遺体のなかには、フランス人司令官と「カリフの幼獣」と称される少年戦闘員24人が含まれていたという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ユーフラテス川西岸のティシュリーン・ダム一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

アレッポ県東部を流れるユーフラテス川以西は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権が米国との合意に基づき「安全地帯」と位置づけ、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が勢力を拡大することを「レッド・ライン」とみなし、ダーイシュ(イスラーム国)の掃討を阻止している。

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AFP(5月30日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に従軍していた元軍人で40歳代のオーストラリア人が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で戦死した。

人民防衛隊がフェイスブックを通じた発表したところによると、戦死したのはジミー・ブライト氏。

ブライト氏は25日にシャッダーディー市近郊のマーリハ村での戦闘で死亡したという。

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クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、クルド人活動家が声明を出し、クルド革命家大隊の結成を宣言、シリア政府および民主統一党に対抗すると発表した。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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