シリア軍は西クルディスタン移行期民政局をPKKと呼び、ハサカ市での挑発的行為に報復し、事態悪化を回避すると発表(2016年8月19日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明(http://www.sana.sy/?p=419603)を出し、西クルディスタン移行期民政局を、トルコや米国がテロ組織と認定しているクルディスタン労働者党(PKK)と呼び、「PKKの軍事部門アサーイシュが最近になってハサカ市で挑発的行為を激化させ、国家関連施設襲撃、石油・綿の略奪、国家試験の妨害、住民の拉致、混乱の拡大」を続けていると非難した。

総司令部はまた、「こうした行為がハサカ市の包囲、迫撃砲や戦車による砲撃、市内のシリア軍拠点への攻撃といったきわめて危険な性格を有しており、軍、民間人に多くの死者を出している」と指摘した。

そのうえで、「同市での事態収拾や安定回復の試みにもかかわらず、アサーイシュは何ら応えず、ハサカ市掌握をめざし犯罪を繰り返している」と付言、「こうした事態を受け、シリア・アラブ軍が砲撃拠点、そしてこれら一連の犯罪行為に責任を負う武装集団の拠点に対して相応の反撃を行う必要が生じた」と強調した。

そして「市民およびシリア・アラブ軍に対して、シリア(社会)の構成と何らの関係もないアサーイシュによって繰り返される敵対行為は同時に、シリアの領土の一体性、市民の安全確保に向け、あらゆる勢力が行うこの手の敵対行為に対峙し、事態悪化を回避するために可能なすべての努力を行う総司令部の決意を新たにする」と締めくくった。

SANA, August 19, 2016

SANA, August 19, 2016

 

AFP, August 19, 2016、AP, August 19, 2016、ARA News, August 19, 2016、Champress, August 19, 2016、al-Hayat, August 20, 2016、Iraqi News, August 19, 2016、Kull-na Shuraka’, August 19, 2016、al-Mada Press, August 19, 2016、Naharnet, August 19, 2016、NNA, August 19, 2016、Reuters, August 19, 2016、SANA, August 19, 2016、UPI, August 19, 2016などをもとに作成。

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