有志連合を主導する米軍空挺部隊がダイル・ザウル県・ラッカ県境で異例の空挺作戦を実施し、ダーイシュ戦闘員25人を殲滅(2017年1月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団や西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍消息筋によると、米軍主導の有志連合が空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員少なくとも25人を殲滅した。

有志連合が空挺作戦を行うのは極めて異例。

これに関して、有志連合はAFP(1月9日付)のEメールでの取材に対して「同地域において作戦は実施された」と回答したが、具体的な作戦決行日時、場所については明らかにしなかった。

だが、シリア人権監視団によると、空挺作戦は、1月8日の午後(午後2時45分頃から午後4時頃)に実施され、有志連合所属とみられるヘリコプター4機に分乗した空挺部隊がダイル・ザウル県西部、ラッカ県東部のマアダーン町郊外に降下、また作戦決行時には、戦闘機2機が航空支援を行い、同地一帯を爆撃したという。

空挺作戦は、ダーイシュのメンバーが乗った車輌1台を標的とし、作戦により乗っていたメンバー全員が死亡したという。

また降下した空挺部隊は、ダイル・ザウル県キバル地区と同地近くの水力発電所、キバル地区とジャズラ村を結ぶ街道の複数カ所に検問所を設置したという。

空挺部隊にはアラビア語を話す兵士が含まれており、作戦実施時もキバル地区一帯への民間人の往来が認められたという。

一方、降下部隊はキバル地区に近い水力発電所に対しても攻撃を加え、ダーイシュ戦闘員多数が殺害され、遺体は捕捉された戦闘員とともに降下部隊によって回収された。

この作戦で降下部隊が殲滅したダーイシュ戦闘員の数は少なくとも25人(うち11人が水力発電所一帯で殺害)にのぼり、捕捉された戦闘員の数は不明だという。

シリア民主軍の司令部筋もまた、AFP(1月9日付)に対して、米軍のアパッチ・ヘリコプター4機が、同じく米軍のヘリコプター2機の航空支援を受けて降下作戦を実施し、ラッカ市からダイル・ザウル県方面に移動中のダーイシュの車輌複数輌を攻撃し、戦闘員多数を殺害、捕捉したと述べた。

作戦は「ダーイシュの重要な司令官2人を狙ったもの」だったという。

このほか、シリア軍消息筋もAFP(1月9日付)に対して、軍のレーダーが降下作戦を捕捉していたことを明らかにした。

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AFP, January 9, 2017、AP, January 9, 2017、ARA News, January 9, 2017、Champress, January 9, 2017、al-Hayat, January 10, 2017、Iraqi News, January 9, 2017、Kull-na Shuraka’, January 9, 2017、al-Mada Press, January 9, 2017、Naharnet, January 9, 2017、NNA, January 9, 2017、Reuters, January 9, 2017、SANA, January 9, 2017、UPI, January 9, 2017などをもとに作成。

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