1月23~24日にカザフスタンの首都アスタナでシリア政府と反体制武装集団の和平協議「アスタナ会議」を主催したロシア、トルコ、イラン、そして国連が、アスタナで軍専門家などからなる実務者協議を開催し、停戦監視の仕組み構築などに関して意見を交わした。
『ハヤート』(2月7日付)が複数の外交筋の話として伝えたところによると、トルコとイランの間で依然として詳細な意見調整の必要があるものの、三カ国は停戦継続を保証に向けて「90%の合意に達した」と伝えた。
その一方、同外交筋は、現下の停戦に、シリア南部の武装集団も参加することに期待が寄せられているとしたうえで、ヨルダン政府の実務者が会合に参加したことを明らかにした。
これに関して、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「ロシアは新たな武装勢力が停戦に参加することを歓迎する…。ヨルダンはいわゆる「南部戦線」を名乗る多くの反体制武装集団との間で、停戦合意に参加することで合意した…。ヨルダンがシリア危機解決に向けた活動に参加することを歓迎する」と述べた。
ロシア政府の代表を務めたロシア軍のスタニスラヴ・カズヒマゴメドヴ(Stanislav Gadzhimagomedov)参謀本部作戦局次長によると、会合ではまた、捕虜交換プロセスについて意見が交わされるとともに、ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)と「穏健な反体制派」の峻別作業が継続されたという。
とりわけ、テロ組織と正当な反体制派の峻別に関して、カズヒマゴメドヴ次長は、「自由シリア軍は現在、北部でヌスラ戦線に対して戦いを挑んでいる。我々はこの経験が中部、そして南部にも広まることを注視している」と述べた。
AFP, February 6, 2017、AP, February 6, 2017、ARA News, February 6, 2017、Champress, February 6, 2017、al-Hayat, February 7, 2017、Iraqi News, February 6, 2017、Kull-na Shuraka’, February 6, 2017、al-Mada Press, February 6, 2017、Naharnet, February 6, 2017、NNA, February 6, 2017、Reuters, February 6, 2017、SANA, February 6, 2017、UPI, February 6, 2017などをもとに作成。
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