アサド大統領はイランのハサン・ロウハーニー大統領と電話会談を行い、7日の米軍によるヒムス県シャイーラート航空基地一帯へのミサイル攻撃への対応について協議した。
SANA(4月9日付)によると、電話会談はロウハーニー大統領側からの要請によるもので、ロウハーニー大統領は、米国の攻撃を主権侵犯、国際法違反と強く非難、イランがシリア国内での「テロとの戦い」と紛争の平和的解決に向けたイニシアチブを引き続き支援・支持すると表明したという。
これに対して、アサド大統領は、「米国はこの攻撃によって意図していた目的の実現に失敗した。その目的とはシリア軍による度重なる勝利を受けて、米国が支援するテロ組織の士気を高揚させるというものだ」と述べるとともに、「シリアの国民、そして軍は、シリア領内の隅々からテロを掃討する案を練っている」と強調した。
またアサド大統領は、イランの指導部と国民に対して、欧米諸国および中東諸国が支援するテロに晒されているシリア国民への不断の支持に謝意を示した。
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アリー・アブドゥッラー・アイユーブ参謀長(軍武装部隊副司令官)は、イランのモハンマド・バーゲリー参謀長と電話会談を行い、7日の米軍によるヒムス県シャイーラート航空基地一帯へのミサイル攻撃への対応について協議した。
SANA(4月9日付)によると、バーゲリー参謀長は会談で、米国の攻撃を「国際法に反する敵対行為」と非難する一方、4日のイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑事件に関しては、「シリア国民および指導部への陰謀」と指摘、中立的な調査実施が必要だと強調したという。
AFP, April 9, 2017、AP, April 9, 2017、ARA News, April 9, 2017、Champress, April 9, 2017、al-Hayat, April 10, 2017、Iraqi News, April 9, 2017、Kull-na Shuraka’, April 9, 2017、al-Mada Press, April 9, 2017、Naharnet, April 9, 2017、NNA, April 9, 2017、Reuters, April 9, 2017、SANA, April 9, 2017、UPI, April 9, 2017などをもとに作成。
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