ヒズブッラーのナスルッラー書記長「シリア・レバノン国境地帯でのダーイシュ掃討はシリアとの協力に基づく第2の解放で、米国とイスラエルは自らの計画の失敗に憤慨している」(2017年8月31日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、レバノンの首都ベイルート郊外ダーヒヤで催された「第2の解放記念祭」でビデオ・メッセージを発し、レバノン・シリア国境からダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)を完全放逐し、同地を解放するという目的を達成したことを表明、アサド大統領をはじめとするシリア指導部、シリア軍、そしてシリア国民に謝意を示した。

SANA, August 31, 2017

メッセージのなかでナスルッラー書記長は「レバノン領内にいたテロリストに対する我々の勝利をもって、我々は第2の解放記念日とすることを宣言する…。米国、イスラエルは地域における彼らの計画が失敗したことに憤慨している…。シリア・レバノン国境沿いにいたテロリストは、両国を真に脅かす拠点を築いていた。それゆえ、我々はシリア側からテロリストと対峙した」と述べた。

また「我々は首尾一貫してこの戦いにおけるシリア・アラブ軍の犠牲を高く評価している…。彼らは、フライタ村無人地帯、ジャラージール村無人地帯、カーラ市無人地帯を解放を求める我々の要請を受けて、レバノンのために戦ってくれた。シリアの指導部にとってそれが現下の最優先課題ではなかったにもかかわらずだ…。私はアサド大統領のもとを訪れ、彼にジャッルード解放の戦いに介入し、拉致されているレバノン軍兵士の消息を突き止めて欲しいと要請した」と続けた。

そのうえで「(レバノン・シリア国境の)無人地帯解放に向けた戦いと、シリア、イラクで行われているダーイシュ(イスラーム国)との戦いを分けることはできない」と強調した。

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一方、ナスルッラー書記長はこれに先立って声明を出し、シリア軍、レバノン軍、ヒズブッラーが国境地帯でダーイシュと停戦し、その戦闘員と家族をダイル・ザウル県に退去させることで合意したことへのイラク政府、米国の批判に反論した。

AFP, August 31, 2017、AP, August 31, 2017、ARA News, August 31, 2017、Champress, August 31, 2017、al-Hayat, September 1, 2017、Kull-na Shuraka’, August 31, 2017、al-Mada Press, August 31, 2017、Naharnet, August 31, 2017、NNA, August 31, 2017、Reuters, August 31, 2017、SANA, August 31, 2017、UPI, August 31, 2017などをもとに作成。

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