シリア民主評議会共同議長のイルハーム・アフマド女史「これまでに2度ロシアの仲介でシリア政府とロジャバの自治について会合を持ったが、成果はなかった」(2017年9月28日)

民主統一党(PYD)の支持団体である民主連合運動(TEV-DEM)幹部で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の共同議長を務めるイルハーム・アフマド女史は、ロイター通信(9月28日付)に対して、ロシアの仲介でシリア政府の代表とこれまでに2度会合を開き、西クルディスタン移行期民政局/北シリア民主連邦の支配地域の自治について意見を交わしたことを明らかにした。

アフマド女史は「我々は、交渉の用意があると声明を通じてメッセージを送ってきた…。ロシアは我々に、シリア政府に交渉するよう説得しなければならないと伝えてきた…。しかし、過去2回の会合では、シリア政府側は、自治区(西クルディスタン移行期民政局支配地域)の将来やシリアでの連邦制の樹立要請について真剣に話し合おうとはしていないようだった」と述べた。

そのうえで、アフマド女史は、西クルディスタン移行期民政局による支配が分離を意味するものではないと付言した。

一方、クルド人女性活動家のファウザ・ユースフ女史は、イラク・クルディスタン地域の独立を問う住民投票に関して、シリア政府がシリアのクルドの問題で態度を軟化させることに資するだろうとの見方を示した。

AFP, September 28, 2017、ANHA, September 28, 2017、AP, September 28, 2017、ARA News, September 28, 2017、Champress, September 28, 2017、al-Hayat, September 29, 2017、Kull-na Shuraka’, September 28, 2017、al-Mada Press, September 28, 2017、Naharnet, September 28, 2017、NNA, September 28, 2017、Reuters, September 28, 2017、SANA, September 28, 2017、UPI, September 28, 2017などをもとに作成。

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