2011年10月28日のシリア情勢

反体制デモ

金曜礼拝後に反体制デモが発生し、治安当局の弾圧によって、40人以上が殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団や地元調整諸委員会によると、ヒムス市のダイル・バアルバ地区、ハーリディーヤ地区、バイヤーダ地区、バーバー・アムル地区などで大規模な反体制デモが発生し、治安当局が弾圧、20人を殺害した。

シリア人権監視団によると、クサイル市でも反体制デモに対する治安当局の弾圧で1人が殺害された。

また複数の活動家によると、クサイル市など県内各所で軍・治安部隊による離反兵の掃討作戦が継続され、複数の死者が出た。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、カフルナブル市で大規模な反体制デモが発生した。

マアッラト・ヌウマーン市では、殺害された離反兵の葬儀が反体制デモに発展した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市で反体制デモに対する治安当局の弾圧で12人が殺害された。

地元調整諸委員会によると、軍・治安部隊と離反兵が交戦し、カルナーズ町で12人が、カルアト・マディーク町で2人、カフルヌブーダで1人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町で反体制デモに対する治安当局の弾圧で2人が殺害された。またフラーク市、ダーイル町でもデモが発生した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カナーキル村で大規模なデモが発生し、多数が逮捕された。

これに対して、SANA(10月30日付)は、ハラスター、ドゥーマーで複数の時限爆弾が発見され、撤去されたと報じた。しかしそのうちの一つがハラスターで爆発し、子供1人が犠牲となったという。またドゥーマーでは、大量の武器弾薬、偽の軍服などが押収された。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、マイダーン地区でデモが発生した。またバルザ区は治安当局によって閉鎖された。

Kull-nā Shurakā’, October 28, 2011

Kull-nā Shurakā’, October 28, 2011

Kull-nā Shurakā’, October 28, 2011

Kull-nā Shurakā’, October 28, 2011

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タルトゥース県では、バーニヤース市で治安当局がデモ参加者を追跡、逮捕した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル革命運動会議の名で、市内各地で夜間に複数の爆発があったと発表した。

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なおフェイスブックの「シリア革命2011」などが、「飛行禁止の金曜日」と銘打って、反体制デモをよびかけ、国際社会による民間人の保護を求めた。また活動からは、自由シリア軍の活動を支援するため国際社会による飛行禁止空域の設定を求めた。

また最近、フェイスブック上に「シリアへの飛行禁止に賛成」と題した新たなページが立ち上がり、国内の活動家らが参加し、リビアと同様の飛行禁止空域設定を呼びかけている。

http://ar-ar.facebook.com/NoFlyZone.In.Syria

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一方、SANA(10月28日付)は、アレッポ県のアレッポ市内でのデモ発生や、ヒムス県上空などでのシリア空軍機の威嚇などを報じる一部メディアの報道を否定した。

反体制勢力の動き

シリア・クルド・ムスタクバル潮流は声明を出し、10月28日金曜日のハサカ県カーミシュリー市の反体制デモで、「クルド国民大会はシリアのクルド人を代表している」と書かれたプラカードを同評議会に参加したクルド民族主義政党の指導者やメンバーが掲げたことに対して、デモに参加した若者や無所属の活動家が反発したとしたうえで、クルド人内部の対立を助長するようなこうした行為を厳しく非難した。

アサド政権の動き

地方行政省は12月12日投票予定の統一地方選挙の立候補者受付を開始した。受付期間は1週間。

SANA, October 28, 2011

SANA, October 28, 2011

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『インティペンデント』(10月28日付)はブサイナ・シャアバーン大統領府情報顧問が同紙のインタビューで「教は私の父の3回忌で、私たちは墓参したいと思っています。しかし、ヒムスで殺されるかもしれないので行くことができません」と述べたと報じた。

インタビューはダマスカスの執務室でロバート・フィスク氏が行った。

http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-the-army-was-told-not-to-fire-at-protesters-2376892.html

諸外国の動き

反体制活動家のフサイン・アウダート氏(作家)は『ハヤート』(10月29日付)の取材に対して、シリア訪問中の中国の呉思科中東問題特使が国民民主諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役とダマスカスで会談したと述べた。同会談で、呉特使はアラブ連盟のイニシアチブへの支持を表明するとともに、危機打開に関する中国側の姿勢を説明した、という。

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米国でスパイ容疑に問われているシリア人ムハンマド・スワイド氏に対して、米司法当局は公判(3月5日)までの拘留を決定。スワイド氏は無罪を主張している。

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スーダンの首都ハルトゥームでシリアでの反体制運動を支援するデモが発生し、約350人が参加した。

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エジプトの首都カイロのシリア大使館前で数千人が反体制デモを行った。

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スペイン外務省はフサームッディーン・アラー在マドリード・シリア大使を呼び出し、スペイン在住シリア人への脅迫を止めるよう警告した。

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リトアニア国防省報道官は、同国がシリアの航空機の領空通過を禁止したと発表した。西側諸国の対シリア制裁に歩調を合わせた動き。

AFP, October 28, 2011、Akhbār al-Sharq, October 28, 2011, October 29, 2011, November 2, 2011、al-Ḥayāt, October 29, 2011、The Independent, October 28, 2011、Kull-nā Shurakā’, October 28, 2011、Reuters, October
28, 2011、SANA, October 28, 2011, October 30, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

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