民主的諸勢力国民調整委員会広報局長がダマスカス県で「平和的革命継続」を訴える座り込みを実施するなか、軍・治安部隊と反体制武装集団による停戦違反はなおも継続(2012年4月16日)

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国内の暴力

軍・治安部隊と反体制武装集団による散発的な停戦違反が続いた。

地元調整諸委員会によると、ヒムス県、ダルアー県、カーミシュリー市(ハサカ県)、アレッポ県、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)で30人(うち女性1人、子供1人、離反兵2人)が、軍・治安部隊の攻撃で死亡したという。

SANA, April 16, 2012

SANA, April 16, 2012

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ヒムス県では、UPI(4月16日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区などで軍・治安部隊による砲撃が続き、同地区の住民の一人は、「シリア軍が国際監視団の到着前にヒムス市を制圧しようとしている」としたうえで、「このような事態が続けばヒムスには何も残らないだろう」と危機感を露わにした。

同報道によると、軍・治安部隊はハーリディーヤ地区の半分を奪還し、シヤーフ地区、カラービース地区などで離反兵の掃討を進めている、という。

一方、SANA(4月16日付)によると、ヒムス市では武装テロ集団が迫撃砲でザフラー地区、アッバースィーヤ地区を砲撃し、子供2人を殺害した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市でヒムス市で軍・治安部隊の車輌が襲撃され、3人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市で軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市で軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市で反体制デモが発生し、治安部隊が発砲し、市民1人が死亡した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ブスル・ハリール市で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、隊員1人を殺害した。

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アレッポ県では、SANA(4月16日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、隊員1人を殺害した。

アサド政権の動き

SANA, April 16, 2012

SANA, April 16, 2012

SANA(4月16日付)によると、前日のタルトゥース市での定例大会に続いて、ラタキア市でシリア・アラブ部族会合が開催され、参加者は、外国の介入拒否、アサド政権の改革路線への支持を表明した。

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バアス党民族指導部が独立記念日に合わせて声明を出し、「人民は…国が建たされている岐路を克服し、シリアが曝されている陰謀に立ち向かう能力がある。逃走を続け、祖国と民族の利益が必要とするものを与える能力がある」と混乱克服への自信を示した。

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SANA, April 16, 2012

SANA, April 16, 2012

アクス・サイル(4月16日付)は、アサド大統領夫妻が政府と反体制勢力の対立の犠牲者への「フード・バスケット」を支給する若者の慈善活動に姿を現した。

この慈善活動はシリア青年評議会機構が複数のNGOの支援のもとに実施したキャンペーン(「我々は呼びかけに応える」キャンペーン)で、犠牲者遺族に1ヵ月分の食糧を支給することを目的としている。

反体制勢力の動き

民主的諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム広報局長は、ダマスカス県中心部で「平和的革命継続」を訴える座り込みを呼びかけ、実施したと発表した。

座り込みは、バラームカ地区のファハーマ広場で午前11時から1時間にわたって行われ、調整委員会のほか、民主フォーラム、祖国連立、シリア民族主義者、ダマスカス民主変革宣言、「ダマスカスの春」、国民自由党、シリア国家建設党。

無所属の青年活動家など、シリア国内で活動する主要な勢力が参加し、治安部隊による強制排除は行われなかった。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長は、2011年3月以降のシリア国内での死者数が11,117人にのぼったと発表した。

死者の内訳は民間人7,972人、軍人3,145人(離反兵約600人を含む)。

ロンドンで活動するこの人権団体は反体制勢力であり、その発表はシリア政府と同様政治的バイアスがかかっている。

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シリア国内の反体制部族代表らがシリア・アラブ諸部族評議会の結成を宣言した。

国連の動き

アナン特使付報道官のアフマド・ファウズィー氏は、監視団先遣隊が宿泊先のホテルをチェックアウトし、監視団本部の設置を開始した、と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、ヒムス市での発砲停止を改めて求め、「国際監視団展開の第2ステップは、政治的対話でなければならず、それによってシリア国民の意思が尊重されるべき」と述べた。

諸外国の動き

スーザン・ライス米国連大使(安保理議長)は、シリア情勢に関して、「シリア政府が暴力行為を続けている」との一方的な見方を示したうえで、アナン特使の和平案を履行するとした姿勢に反している、と非難した。

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カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長は、滞在先のローマで、「アナン特使の和平案の成功のチャンスは3%に満たない」との悲観的な見方をしたうえで、「尊厳と公正を求める動きは平和的に生まれ、武装することもあり得る」と述べ、シリア国民への武器支援の必要を強調、シリアの不安定化を助長する姿勢を改めて示した。

また「毎日殺されているのに誰も声をあげてくれない国民に対する安保理の姿勢は非道徳的」だと述べた。

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トルコの内閣非常事態災害局は、トルコ領内のシリア人避難民が23,971人にのぼり、過去2日で67人が新たに入国、449人が帰国したと発表した。

‘Aks al-Sayr, April 16, 2012、AFP, April 16, 2012、Akhbar al-Sharq, April 16, 2012、AKI, April 16, 2012、al-Hayat, April 17, 2012、Kull-na Shuraka’, April 16, 2012, April 17, 2012、Naharnet.com, April 17, 2012、Reuters, April 16, 2012、SANA, April 16, 2012、などをもとに作成。

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