シリア南部でシリア軍の攻勢が強まるなか、アル=カーイダと自由シリア軍は「南部中央作戦司令室」の名で糾合(2018年6月20日)

ダルアー県では、『ハヤート』(6月21日付)が「死の三角地帯」作戦司令室の情報として伝えたところによると、シリア軍精鋭部隊が、イランの支援を受ける地元の戦闘員の支援を受けて、県北部で反体制武装集団と激しく交戦した。

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シリア南部で活動する反体制武装集団は声明を出し、シリア軍の進攻に対抗するため、「南部中央作戦司令室」の名で新たな作戦司令室を発足させ、糾合したと発表した。

「南部中央作戦司令室」には、「堅固な建造物」(ブンヤーン・マルスース)作戦司令室、「一致団結」(ラッス・スフーフ)作戦司令室、「隊列統合」(タウヒード・スフーフ)作戦司令室、「侵略者撃退」作戦司令室、「死の三角地帯」作戦司令室、「歴然たる勝利」(ナスル・ムビーン)作戦司令室、「抑圧者撃退」作戦司令室からなる。

「堅固な建造物」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構やシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)が主導している。

「一致団結」作戦司令室は、ハッルージャト・ハウラーン師団、スンナの獅子師団、革命軍、砲兵連隊、ムウタスィム・ビッラー旅団によって、2017年6月に結成された。

「隊列統合」(タウヒード・スフーフ)作戦司令室は、ヒムス県ラスタン市一帯で活動する武装組織によって2015年1月に結成された。

「侵略者撃退」作戦司令室は、イドリブ県南東部、ハマー県北東部で活動するシャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団、ヌールッディーン・ザンキー運動(シリア解放戦線)などが結成した組織。

「死の三角地帯」作戦司令室は、ダルアー県、ダマスカス郊外県、クナイトラ県の県境に位置するいわゆる「死の三角地帯」で活動する武装集団。

「歴然たる勝利」(ナスル・ムビーン)作戦司令室は2017年6月に結成された。

「抑圧者撃退」作戦司令室は、二大聖地旅団、シャーム自由人イスラーム運動などが2017年3月に結成した。

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クナイトラ県では、SANA(6月20日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がジャッバー村を砲撃し、住民1人が死亡、10人が負傷した。

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スワイダー県では、SANA(6月20日付)によると、ダルアー県東部で活動を続けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が、ハッラーン市、ティーラ村、タアーラ村を砲撃した。

AFP, June 20, 2018、ANHA, June 20, 2018、AP, June 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2018、al-Hayat, June 21, 2018、Reuters, June 20, 2018、SANA, June 20, 2018、UPI, June 20, 2018などをもとに作成。

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