イランとシャーム解放機構がイドリブ県のシーア派の町の全住民退去と「革命家」釈放で合意(2018年7月17日)

SANA(7月17日付)は、イドリブ県で活動するシャーム解放機構などからなる反体制武装集団によって拉致されていた同県イシュタブリク村の住民42人の解放と、武装集団の包囲を受けるフーア市、カファルヤー町の住民のシリア政府支配地域への移送にかかる合意が交わされた、と伝えた。

イシュタブリク村は2015年4月26日、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団の攻撃を受けて、その際住民数十人が拉致されていた。

AFP(7月17日付)がシャーム解放機構消息筋の情報として伝えたところによると、この合意で、フーア市とカラフヤー町の住民を搬送するため、シリア政府が大型バス100台以上を手配する一方、シリアの当局によって拘置されている1,500人が解放されることが確認されたという。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(7月17日付)が得た情報によると、合意は、①フーア市、カファルヤー町で包囲を受けているシーア派民兵と政権支持者全員約6,900人の退去、②アサド政権の刑務所で拘置されている「革命家」1,500人、ヒズブッラーが拘束している捕虜36人、フーア市、カファルヤー町で拘束されている民間人4人の釈放、を骨子とするという。

なお、『ハヤート』(7月17日付)は、複数の消息筋の話として、イドリブ県でシャーム解放機構をはじめとする反体制武装集団の包囲を受けている12イマーム派(シーア派)の二つの町、フーア市とカファルヤー町からの住民・戦闘員の退去に向けた交渉が、シャーム解放機構とイラン政府関係者の間で行われた、と伝えていた。

al-Durar al-Shamiya, July 17, 2018

AFP, July 17, 2018、ANHA, July 17, 2018、AP, July 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、July 18, 2018、Reuters, July 17, 2018、SANA, July 17, 2018、UPI, July 17, 2018などをもとに作成。

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