ロシアのラヴロフ外務大臣はトルコのチャヴシュオール外務大臣との会談で、「イドリブ県の問題が協力を通じて解決されることを希望している」としつつ、シリア軍による同地への攻撃を否定せず(2018年8月14日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はトルコの首都アンカラを訪問し、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と会談、シリア情勢、とりわけイドリブ県情勢への対応について意見を交わした。

会談後の共同記者会見で、ラブロフ外務大臣は、ロシア・トルコ両国がさまざまなチャンネルを通じて、テロ組織やシリア政府との和解を拒否した反体制武装集団への対応、イドリブ県での緊張緩和地帯設置にかかる合意の実施について協議しているとしたうえで、「イドリブ県の問題が協力を通じて解決されることを希望している」と述べた。

ラブロフ外務大臣は、トルコ側の取り組みに関して「(イドリブ県一帯での)監視所の設置により、事態は平静を保っている」としつつ、「だが最近になって、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)による敵対的行為が生じ、シリア軍の陣地が砲撃を受けている。またフマイミーム航空基地を爆撃しようと、連日のように無人航空機が飛来している。それ以外にも同様の挑発行為が行われている」と述べた。

そのうえで、「シリア軍にはもちろん、こうした現象と戦う権利がある。なぜならそこはシリアの領土であって…、国連安保理決議第2254号に合致したものだからだ」と強調した。

一方、チャヴシュオール外務大臣は「テロリストが誰かを明確にしたうえで、彼らと戦わねばならない。イドリブ県全体に対して戦争をしかけたり、無差別爆撃をするのは正しくない…。テロリストがいるという口実で、イドリブ県全体、そして民間人を爆撃することは、虐殺を意味する…。テロリストと3万の民間人、反体制派戦闘員を区別すべき」と強調した。

『ハヤート』(8月15日付)などが伝えた。

AFP, August 14, 2018

AFP, August 14, 2018、ANHA, August 14, 2018、AP, August 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 14, 2018、al-Hayat, August 15, 2018、Reuters, August 14, 2018、SANA, August 14, 2018、UPI, August 14, 2018などをもとに作成。

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