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反体制勢力の動き
フェイスブックのグループ「シリア革命2011」は、ダマスカス郊外県でのゼネストを呼びかけた。
シリア政府の動き
SANA(6月17日付)は、17日の反体制デモで、市民人と警官合わせて9人が死亡し、70人以上が負傷したと伝えた。
同報道によると、犠牲者のほとんどは、金曜礼拝後の市民の「集まり」に乗じて武装集団が行った公共施設への破壊行為によるものだという。
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SANA(6月18日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市で、国民統合支持とシリア国民に対する諸外国の陰謀拒否を訴えるデモ行進が行われ、多数の住民が参加した。
またアレッポ市のアレッポ城周辺でも同様のデモ集会が行われ、住民数万人が参加した。
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SANA(6月18日付)によると、ヒムス市で治安維持活動中に武装テロ集団によって殺害された治安部隊隊員の葬儀がヒムス軍事病院で行われた。
国内の暴力
イドリブ県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、シリア軍が早朝、ジスル・シュグール市に隣接するビダーマー町に突入し、激しい銃声が聞こえた。
同代表によると、ビダーマー町入口には、複数の戦車、軍用車輌、兵員輸送車、軍用バス、ジープが展開しているという。
またサーリハ・ハンムーダ弁護士は、戦車9輌、兵員輸送車10輌、ジープ20輌、軍用バス10輌がビダーマー町に入るのを目撃したと述べるとともに、「シャッビーハ」が家々に発砲していると付言した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、17日のデモでの犠牲者1人の葬儀がダイル・ザウル市で行われ、約20,000人が参列した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、17日のデモでの犠牲者1人の葬儀がドゥーマー市で行われ、参列者がその後、カビール・モスク前で抗議の座り込みを行った。
諸外国の動き
アナトリア通信(6月18日付)は、ハタイ県にトルコ赤新月社が設置したキャンプにシリア人避難民421人が新たに収容され、シリアからトルコ領内に避難したシリア人の数が10,100人を越えたと報じた。
また『ハヤート』(6月19日付)は、トルコ政府が初めて、外国人(エジプト人)記者団にハタイ県のシリア人避難民キャンプ(ボインヨーウン)への訪問を許可したと報じた。
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英国外務省は声明を出し、在留英国人に対して、渡航の自粛とシリア国外への退去を求めた。
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エジプトの有識者や政治勢力は共同声明を出し、「民主主義を求める現下のシリア国民の運動」との連帯を宣言した。
声明のなかで彼らは「我々エジプト人は、シリア国民を全面支持し、治安部隊の銃弾により平和的デモ会場で連日命を落としている自由の殉教者の魂に敬意を表することを宣言する」と述べた。
同声明はまた「シリア治安部隊の国民への抑圧と連日続く殺戮のなか、この野蛮な抑圧を逃れ数千人の市民が国外へ避難しており、それは武装集団や外国の陰謀など、(シリア)公式筋が行う主張と矛盾している」と述べた。
AFP, June 18, 2011、Akhbar al-Sharq, June 18, 2011、al-Hayat, June 19, 2011、Kull-na Shuraka’, June 18, 2011、Naharnet, June 18, 2011、Reuters,
June 18, 2011、SANA, June 18, 2011などをもとに作成。
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