シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから88日目となる7月28日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より56人(民間人29人(うち女性3人、子供5人)、シリア軍兵士6人、反体制武装集団戦闘員21人)増えて2,776人となった。
うち、837人が民間人(女性154人、子供209人を含む)、932人がシリア軍兵士、1,007人が反体制武装集団戦闘員。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は60回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」70発を投下、ロシア軍も34回の爆撃を行った。
またシリア軍の地上部隊による砲撃は350発におよんだ。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がタッル・ミルフ村を爆撃、ヘリコプターが「樽爆弾」を投下、地上部隊が同地で反体制武装集団激しく交戦した。
約5時間におよぶ戦闘の末、反体制武装集団が撤退し、シリア軍が同地一帯を再び完全制圧した。
同監視団によると、シリア軍はまた、戦闘機でアブー・ライーダ村、カフルズィーター市、ラターミナ町、アルバイーン村、ウンム・ニール村、ジャビーン村、サルマーニーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、ハスラーヤー村、ザカート村、ジャビーン村、ラターミナ町、カフルズィーター市に「樽爆弾」を投下した。
この爆撃で、ジスル・バイト・ラース村で市民1人が死亡した。
またシリア軍は地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。
ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、ハスラーヤー村、ラトミーン村、サイヤード村、アルバイーン村を爆撃した。
この爆撃で、カフルズィーター市・ザカート村間の農地で女性2人を含む市民3人が死亡した。
一方、SANA(7月28日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市にあるイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でトゥラムラー村、アリーハー市、スフーフン村、フバイト村、ハーン・シャイフーン市に対して爆撃を実施した。
この爆撃でアリーハー市では市民人5人が、マアッラト・ヌウマーン市近郊のマアッルシューリーン村で市民1人が、ラジャム・カット村で市民1人が死亡した。
またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。
ロシア軍もハーン・シャイフーン市、タフターヤー村を爆撃した。
一方、SANA(7月28日付)によると、シリア軍がラジャム・カット村一帯を移動中の反体制武装集団の車輌を攻撃した。
また、シリア人権監視団によると、シリア軍増援部隊がハマー県北部に対する進攻作戦に向けてアブー・ライーダ村一帯に展開した。
他方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月28日付)によると、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がジャルマ村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍は地上部隊が同地を砲撃した。
ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。
ドゥラル・シャーミーヤ(7月28日付)によると、シリア軍部隊が、ロシア軍特殊部隊や共和国護衛隊とともにクバイナ丘一帯に進攻を試みたが、シャーム解放機構がこれを撃退した。
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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月28日付)によると、フラーク市でシリア政府との和解に応じたムウタッズ軍の司令官イヤード・ニムル氏が何者かによって撃たれ、死亡した。
ニムル氏は和解後に総合情報部に所属、フラーク市にある自宅を空軍情報部に提供するなどして、反体制派の摘発に協力していたという。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認なかったと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県4件、アレッポ県1件)確認した。
AFP, July 28, 2019、ANHA, July 28, 2019、AP, July 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 28, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 28, 2019、Reuters, July 28, 2019、SANA, July 28, 2019、SOHR, July 28, 2019、UPI, July 28, 2019などをもとに作成。
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