シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから107日目を迎えた8月16日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は89回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」95発を投下、ロシア軍も44回の爆撃を行った。
またシリア軍の地上部隊による砲撃は1,040発におよんだ。
シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より67人(民間人18人(うち女性5人、子供8人)、シリア軍兵士22人、反体制武装集団戦闘員27人)増えて3,385人となった。
うち、908人が民間人(女性170人、子供229人を含む)、1,182人がシリア軍兵士、1,340人が反体制武装集団戦闘員。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタマーニア町、ハーン・シャイフーン市、ラカーヤー村、カフルサジュナ村、タッル・タルイー村、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、ヒーシュ村、タフターヤー村、アリーハー市、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、マアッルシューリーン村、タッフ村などに対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシャイフ・ダーミス村、ヒーシュ村、ハーン・シャイフーン市一帯、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、ハーミディーヤ村、カフルルーマー村、バスィーダー村などに「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。
ロシア軍もヒーシュ村、タマーニア町、カフルサジュナ村、ハーン・シャイフーン市、ラカーヤー村などを爆撃した。
一連の爆撃で、ハーッス村近郊の国内避難民(IDPs)収容所が狙われ、子供6人と女性4人を含む民間人15人が死亡、またシリア軍の砲撃により、アリーハー市では女児1人が、ガドファ村で子供1人が死亡した。
また、負傷者数は50人以上にのぼったという。
一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(8月16日付)によると、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室が、マダーヤー村一帯でシリア軍と交戦、シャーム解放機構の戦闘員が自爆攻撃などを行った。
また、ドゥラル・シャーミーヤ(8月17日付)によると、ハーン・シャイフーン市の名士らが声明を出し、トルコおよび国際社会に対して、ロシア軍の進軍を阻止するよう呼びかけた。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でムーリク市に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。
ロシア軍もムーリク市、ラトミーン村を爆撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下するとともに、地上部隊が同地を砲撃した。
ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団やSANA(8月16日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市のハラブ・ジャディーダ地区、ジャムイーヤト・ザフラー地区を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(アレッポ県14件、イドリブ県1件、ラタキア県13件、ハマー県3件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(イドリブ県4件、ハマー県11件)確認した。
AFP, August 16, 2019、ANHA, August 16, 2019、AP, August 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 16, 2019、August 17, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 16, 2019、Reuters, August 16, 2019、SANA, August 16, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 16, 2019、SOHR, August 16, 2019、UPI, August 16, 2019などをもとに作成。
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