米・トルコ軍はシリア北西部国境地帯(ラッカ県~ハサカ県)での合同パトロールを本格始動、シリア外務省は国際法違反と非難(2019年9月8日)

ラッカ県では、ANHA(9月8日付)によると、イスラーム国に対する「テロとの戦い」を行う有志連合を主導する米軍が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するタッル・アブヤド(ギレ・スピ)軍事評議会と連携して、タッル・アブヤド市東のハシーシャ村からハサカ県ナッス・タッル村に至る国境地帯で合同パトロールを実施した。

反体制系のドゥラル・シャーミーヤ(9月8日付)によると、合同パトロールは米軍とトルコ軍によるもの。

ハサカ県ラアス・アイン市(スィリー・カーニヤ)でも、米軍は、スィリー・カーニヤ軍事評議会と連携した、ラアス・アイン市に面する国境地帯でトルコ軍と合同パトロールを実施した。

なお、タッル・アブヤド市一帯での合同パトロールは、トルコと米国の合意に沿って、シリア民主軍がラアス・アイン市からタッル・アブヤド市に至る国境地帯から拠点を撤去させて以降初めて。

ただし、ラアス・アイン市一帯でのパトロールは今回が3度目。

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シリアとイラクでイスラーム国に対する「テロとの戦い」を行う有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、米国・トルコ両軍が、ラッカ県のタッル・アブヤド市からハサカ県のラアス・アイン市にいたる地域で合同パトロールを実施したと発表した。

合同パトロールは、同地に展開していた人民防衛隊(YPG)と女性防衛隊(YPJ)が撤退したのを受けたもので、「トルコの安全保障上の懸念の払拭」が目的だという。

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シリア外務在外居住者省の公式筋は、米国とトルコがシリア北東部での「安全地帯」設置に向けて、同地での合同パトロールを開始したことに関して、国際法への明確な違反にあたるとし、もっとも厳しい表現で非難した。

SANA(9月8日付)が伝えた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、貨物車輌など約150台からなる米主導の有志連合の車列が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への軍事兵站物資をを積んで、イラク北部から北・東シリア自治局支配地域に入った。

AFP, September 8, 2019、ANHA, September 8, 2019、AP, September 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2019、Reuters, September 8, 2019、SANA, September 8, 2019、SOHR, September 8, 2019、UPI, September 8, 2019などをもとに作成。

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