シリア・ロシア軍はシャーム解放機構などの支配下にあるイドリブ県、ラタキア県、アレッポ県を爆撃し、戦闘員2人と女児1人が死亡(2019年11月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサルミーン市、ナイラブ村、トゥランバ村、シャイフ・ムスタファー村、カフルサジュナ村一帯を爆撃し、トゥランバ村の国内避難民(IDPs)キャンプで女児1人が死亡した。

またシリア軍地上部隊がシャイフ・ダーミス村、カフルサジュナ村、マアッラト・ハルマ村、タッル・ナール村、ウンム・ジャラール村、ムシャイリファ村、ティーナ村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団も、ザハビーヤ村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

一方、トルコ軍部隊がカフルルースィーン村に設置された通行所からシリア領内に入り、反体制派支配地域とシリア政府支配地域の境界地帯でパトロールを実施した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構などの支配下にあるキンサッバー町一帯およびカッバーナ山一帯を砲撃し、戦闘員2人が死亡した。

また、シリア軍戦闘機が同地を「樽爆弾」で爆撃した。

ロシア軍戦闘機もカッバーナ村一帯、フドル丘、キンダ村を爆撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がジューリーン村一帯、ジュッブ・アフマル村にあるシリア軍拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がバウワービーヤ村を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(イドリブ県10件、ラタキア県8件、アレッポ県8件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を24件(イドリブ県4件、ラタキア県7件、アレッポ県10件、ハマー県4件)確認した。

AFP, November 9, 2019、ANHA, November 9, 2019、AP, November 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 9, 2019、Reuters, November 9, 2019、SANA, November 9, 2019、SOHR, November 9, 2019、UPI, November 9, 2019などをもとに作成。

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