アレッポ県では、SANA(2月17日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線などからなる「決戦」作戦司令室と戦闘を続け、バスラトゥーン村、フール村、アンジャーラ村を新たに制圧した。
シリア軍はまた、16日に制圧したカフルハムラ村、フライターン市、アナダーン市を結ぶ街道(アレッポ・アアザーズ街道)に展開した。
ANHA(2月17日付)によると、シリア軍はさらに、「決戦」作戦司令室との戦闘の末、トルコ軍監視所が設置されているシャイフ・アキール山を完全制圧した。
このほか、シリア人権監視団によると、シリア軍はカブターン・ジャバル村、バーラー村も制圧したが、反体制武装集団はその後、カブターン・ジャバル村を奪還したという。
一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアターリブ市、カフル・アンマ村、シャイフ・バラカート山、ダーラト・イッザ市、同市とタルマーニーン村を結ぶ街道沿線一帯、イルハーブ村、カフル・ヌーラーン村、アブザムー町を爆撃し、アブザムー町で子ども1人と女性1人が死亡した。
シリア軍戦闘機もサッルーム村一帯を爆撃した。
ホワイト・ヘルメットは声明を出し、ロシア軍戦闘機がダーラト・イッザ市内のフィルドゥース病院とカナーナ病院を爆撃し、住民多数が負傷したと発表した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフルナブル市、ラーミー村、ブサンクール村、アリーハー市、タカード村、シリア軍戦闘機がアリーハー市一帯を爆撃した。
シリア軍地上部隊もダーナー市を砲撃し、住民1人が死亡した。
一方、トルコ軍はサルマダー市とダーナー市の間に位置するバルダクリー村、アリーハー市近くのムウタリム村に新たな拠点を設置した。
同監視団によると、これにより、トルコ軍がシリア領内に設置した監視所の数は36カ所となった。
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県6件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県5件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県7件、ハマー県0件)確認した。
AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。
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