英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領のモスクワでの会談で合意した停戦が発効(5日深夜)してから2日目となる3月7日、シリア・ロシア軍、トルコ軍による爆撃は確認されなかったと発表したが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反は確認された。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルナブル市近郊のマアーッラト・ムーハス村、ブライジュ村に進軍した。
同地には、シリア軍も「決戦」作戦司令室も展開しなおらず、戦闘も発生しなかった。
シリア軍はまた、カフル・ウワイド村、スフーフン村、ファッティーラ村を砲撃した。
一方、SANA(3月7日付)によると、トルコ軍の支援を受ける「決戦」作戦司令室が、5日深夜に発効した停戦に違反するかたちで、ハザーリーン村、ダール・カビーラ村を砲撃した。
このほか、シリア人権監視団によると、トルコ軍の戦車、装甲車、ミサイル発射台や大砲を積んだトレーラーなど100輌以上からなる車列が、カフル・ルースィーン村に違法に設置された国境通行所からシリア領内に新たに進入した。
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ハマー県では、「信者を煽れ」作戦司令室が声明を出し、ガーブ平原の反体制派支配地域に潜入しようとしたシリア軍部隊と交戦し、兵士多数を殺傷したと発表した。
「信者を煽れ」作戦司令室は、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる武装連合体。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を19件(イドリブ県3件、ラタキア県7件、アレッポ県9件、ハマー県0件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。
AFP, March 7, 2020、ANHA, March 7, 2020、AP, March 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 7, 2020、Reuters, March 7, 2020、SANA, March 7, 2020、SOHR, March 7, 2020、UPI, March 7, 2020などをもとに作成。
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