北・東シリア自治局支配下での抗議デモで住民1人、アサーイシュ隊員1人死亡、米軍はデモ拡大を阻止するため町を包囲(2020年3月8日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月8日付)やシリア人権監視団によると、米軍部隊が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともに、北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川東岸のブサイラ市を包囲し、住民の外出を禁止した。

この措置は、ムハイミーダ村での抗議デモの拡大を阻止するためのもの。

ムハイミーダ村ではこの日、住民がシリア民主軍の活動や基本サービスの不足に抗議する抗議デモを行ったが、シリア民主軍はデモ参加者に対して実弾を発砲し、これを強制排除、その際、住民1人が死亡、2人が負傷した。

また、デモを強制排除しようとした内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員一人が、参加者にナイフで刺されて死亡した。

住民に犠牲者が出たことを受けて、サフィーラ村の住民も抗議デモを行い、ダイル・ザウル市とラッカ市を結ぶ街道でタイヤを燃やすなどして封鎖した。

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ハサカ県では、SANA(3月8日付)によると、タッル・タムル町近郊のクーザリーヤ村で、シリア軍部隊と住民が米軍のパトロール部隊の進入を阻止し、これを撃退した。

装甲車7輌からなる米軍のパトロール部隊はクーザリーヤ村に進入しようとしたが、兵士と住民多数が立ちはだかり、部隊は引き返したという。

一方、米軍が違法に基地を設置しているルマイラーン町では、住民が米軍装甲車に投石し、占領反対の意思を示した。

AFP, March 8, 2020、ANHA, March 8, 2020、AP, March 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2020、Reuters, March 8, 2020、SANA, March 8, 2020、SOHR, March 8, 2020、UPI, March 8, 2020などをもとに作成。

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