ロシア、トルコ両国はイドリブ県での停戦違反を確認せず(2020年5月13日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから69日目となる5月13日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がハザーリーン村一帯で交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、フーア市近郊のサワーギヤ町では、シャーム軍団の拠点が正体不明の武装集団の攻撃を受け、戦闘となった。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町とバッカール村を結ぶ街道で武装集団が住民を射殺した。

AFP, May 13, 2020、ANHA, May 13, 2020、AP, May 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 13, 2020、Reuters, May 13, 2020、SANA, May 13, 2020、SOHR, May 13, 2020、UPI, May 13, 2020などをもとに作成。

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