2013年11月12日のシリア情勢

Kull-na Shuraka', November 12, 2013

Kull-na Shuraka’, November 12, 2013

反体制勢力の動き

アレッポ県では、反体制武装集団6組織が共同声明を出し、「アサドの悪党がヒズブッラーの民兵とアブー・ファドル・アッバース旅団の支援のもとに行っている激しい攻撃」に対抗するよう、アレッポ市および同市郊外の武装集団に対して「大号令」を出した。

共同声明を出したのは、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人運動、タウヒード旅団、「ファスタキム・カマー・ウミルタ」(命じられるままに復讐せよ)連合、ヌールッディーン・ザンキー大隊、アンサール・マフディー。

声明において、6組織は「呼びかけに応じず、武器を退いた者を処罰し、断固たる措置をとる」と約束した。

AFP(11月12日付)などが伝えた。

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クッルナー・シュラカー(11月12日付)は、アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリー氏の8日の音声声明を受けるかたちで、11日以降、「ビラード・シャームのアル=カーイダ機構、ヌスラ戦線」と書かれた黒い旗を掲げる武装集団がシャームの民のヌスラ戦線内に出現していると報じた。

また同サイトは、ラッカ市を占拠しているイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、市内の拠点の再配置を行い、市内入り口の拠点をヌスラ戦線に明け渡す一方、その一部がアレッポ県に向けて転戦している、と報じた。

これに関して、ラッカ市の「自由シリア軍」消息筋は、ザワーヒリー師の音声声明発表後、ラッカ市内でダーイシュとシャームの民のヌスラ戦線が会談し、その直後、ダーイシュの戦闘員40人以上が離反し、ヌスラ戦線に加わる一方、ダーイシュの戦闘員多数がイラクへの移動を決心したと語った。

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自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー中央広報担当官はAKI(11月12日付)に、同司令部が現在、ロシアへの使節団派遣を調整中であることを明らかにした。

使節団の派遣は「危機の終わらせるための最終的な解決策に直接至る」ことが目的だという。

ミスリー調整官は、ジュネーブ2会議が開催されたとしても、アサド政権が政治的解決を望んでいないために、失敗するだろうと述べ、政権退陣以外に、暴力停止、治安と安定の回復はない、と主張した。

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民主連合党のサーリフ・ムスリム共同党首は『ハヤート』(11月13日付)に、シリア北東部での自治を行うための「西クルディスタン移行期民政局評議会」に関する合意がハサカ県カーミシュリーシで成立したと発表した。

ムスリム共同党首によると、西クルディスタン移行期民政局評議会は、クルド民族主義政党(民主連合党、シリア・クルド左派党、民主左派党、クルド・シリア民主党)、スィルヤーニー・アッシリア連合、アッシリア民主機構の代表82人から構成され、地方選挙法策定、総選挙の準備、政治・軍事・治安問題への対応などを行う。

また西クルディスタンは3地域に分割され、それぞれの地域で評議会が設置され、自治が運営されるという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班は政府発足を受けてイスタンブールで記者会見を開き、「我々の暫定政府はシリアへの帰還の道をならすことになろう…。我々はシリア復興に全力を尽くす。我々はすべての国際的合意を尊重する…。サウジアラビア、カタール、トルコ、それ以外の湾岸諸国、リビアによるシリアの反体制勢力への支援に感謝する」と述べた。

また暫定政府に関して「言葉だけの政府でなく、実行の政府だ。第1の任務は解放されたシリアにおける住民の治安と安全の拡大、生活面でのニーズへの対応だ」と述べた。

そのうえで「各都市、町、村の自治を担う地元評議会の役割を活性化する」と付言した。

さらに「国内外のパレスチナ難民を保護する特別委員会を設置する」と約束した。

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シリア革命反体制勢力国民連立内のシリア正教徒、アッシリア教徒代表は共同声明を出し、アフマド・トゥウマ暫定内閣に自らの代表の入閣が認められなかったことに強く抗議すると不満の意を示した。

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リハーブ・ニュース(11月13日付)は、トルコのイスタンブールでアラウィー派の反体制活動家らが組織する「我らはみなシリア人」の大会が開催された。

大会は「シリアとシリア革命救済のためを叫ぼう」と題され、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長も参加した。

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クッルナー・シュラカー(11月13日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市に、民主連合党など35政党・組織の代表約100人が一同に会し、「合同移行期局結成総評議会」を発足した。

同評議会に参加した組織は以下の通り:

1. スィルヤーニー連合党
2. スィルヤーニー青年連合
3. スィルヤーニー文化協会
4. スィルヤーニー学芸連合
5. スィルヤーニー女性連合
6. 国民調整委員会
7. シリア国民ブロック
8. アラブ国民委員会
9. 共産主義行動等
10. シリア・クルド左派党
11. クルディスタン民主パールティ
12. シリア・クルド民主左派党
13. シリア・クルド民主国民連合
14. シリア・クルド民主平和党
15. クルディスタン・リベラル連合
16. クルド・シリア民主党
17. スィタール連合
18. シリア女性イニシアチブ
19. 西クルディスタン権利
20. 市民平和委員会
21. 民主連合党
22. シューリシュ女性機構
23. 西クルディスタン渉外局
24. 西クルディスタン人民議会
25. シリア・クルディスタン民主党
26. 国家市民権社会機構
27. サーラ女性に対する暴力反対機構
28. 未来シリア青年連合
29. クルディスタン共産党
30. 民主連合運動
31. クルド最高会議(西クルディスタン代表)
32. 戦略研究センター
33. クルド学生コンフィデラシオン
34. 革命青年運動
35. 革命青年女性運動

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(11月12日付)によると、マズラア地区、ザバダーニー地区、バグダード通りに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、女性1人が死亡、20人が負傷した。

これに関して、PFLP-GCのアンワル・ラジャー報道官によると、このうちの1発がマズラア地区にあるPFLP-GCの拠点に着弾し、守衛5人が負傷した。

またクッルナー・シュラカー(11月12日付)によると、ヤルムーク区の野菜市場に迫撃砲弾が着弾し、市民4人が死亡、11人が負傷した。

このほか、SANA(11月12日付)によると、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、シリア・アラブ・テレビ(11月12日付)は、ダマスカス県バルザ区で、反体制武装集団が逃走する際に大規模な爆発が発生したとして、その映像を公開した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヤルダー市、バイト・サフム市、ナバク市郊外、ダイル・アティーヤ市郊外、リーマー農場で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(11月12日付)によると、アルバイン市、ドゥーマー市郊外、スバイナ町郊外、フジャイラ村、バービッラー市、ダーライヤー市、ヤブルード市郊外、ナバク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(11月12日付)によると、アレッポ市のシャリーア委員会は、ブスターン・カスル地区に設置されていた通行所を「治安上の理由」で閉鎖すると発表した。

一方、SANA(11月12日付)によると、マンスーラ村、ナッカーリーン村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市の旧市街(アンタキア門、カンサリーン地区)、サーフール地区、カスタル・ハラーミー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月12日付)によると、ガントゥー市、ラスタン市、フナイフィス村、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月12日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(11月12日付)によると、ハーン・ジャウズ村、リーハーニーヤ村、バイト・アワーン村、カビール村、ダルーシャーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月12日付)によると、ダルアー市各所、ヒーラーン村、ナワー市、インヒル市、タファス市、ワーリダート村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(11月13日付)によると、アイン・アラブ市で爆弾テロが発生し、ハマー市から同地に非難していた避難民(子供らを含む)11人が死亡、多数が負傷した。

諸外国の動き

PLOのアンワル・アブドゥルハーディー駐ダマスカス大使がシリア政府高官と、ダマスカス県ヤルムーク区での「中立化」に向けて協議を行った。

アブドゥルハーディー大使によると、会合では、反体制武装集団のキャンプからの撤退、キャンプのゲート開放、社会サービスの復旧などについて話し合われた。

「中立化」が実現した場合、シリア警察がキャンプ内の治安維持活動にあたるが、軍の駐留はみとめられないという。

DFLP広報局のラシード・クワダル氏によると、ヤルムーク区は、シリア人とパレスチナ人からなる反体制武装集団がほぼ1年にわたって占拠されており、PFLP-GC、ファタハ・インティファーダ、パレスチナ解放戦線の民兵がこれに対峙、戦闘を繰り返している。

DFLP、PFLPは戦闘には加わっていないという。

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ドイツのNGO「プロ・アスィール」(Pro-Asyl)は、ギリシャ当局が、欧州へ避難しようとするシリア人避難民を体系的に国外追放していると非難した。

AFP, November 12, 2013、AKI, November 12, 2013、al-Hayat, November 13, 2013、Kull-na Shuraka’, November 12, 2013, November 13, 2013、Naharnet,
November 12, 2013、Reuters, November 12, 2013、Rihab News, November 12, 2013,
November 13, 2013、SANA, November 12, 2013、UPI, November 12, 2013などをもとに作成。

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