政府支配下のスワイダー県で元反体制武装集団からなる第5軍団と地元民兵が激しく交戦し、100人以上が死傷(2020年9月29日)

スワイダー県では、スワイダー24(9月29日付)やシリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるクライヤー町およびその一帯で、シリア軍第5軍団(に所属する第8師団)と地元の民兵が激しく交戦した。

第5軍団は、政府と和解した元反体制武装集団戦闘員から構成され、ロシア軍が支援している。

戦闘は、第5軍団が早朝、クライヤー町西の農地に侵攻し、地元民兵の拠点を制圧したことに端を発した。

両者の戦闘が激化するなか、ドゥルーズ派宗徒からなる親政権民兵組織の「カラーマの男たち」の戦闘員数百人が駆けつけ、第5軍団を一次撃退した。

だが、第5軍団は再び反撃に転じる一方、クライヤー町、バルド村、ムジャイミル村などを砲撃し、民間人に負傷者が出た。

5時間あまりにわたる一進一退の攻防の末、地元民兵が第5軍団を撃退し、戦闘は収束した。



シリア人権監視団によると、この戦闘で第5軍団の兵士8人と予備部隊の兵士13人が死亡、第5軍団の兵士20人あまりと予備部隊の兵士60人以上が負傷した。

AFP, September 29, 2020、ANHA, September 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2020、Reuters, September 29, 2020、SANA, September 29, 2020、SOHR, September 29, 2020、al-Suwayda’ 24, September 29, 2020などをもとに作成。

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