イドリブ県ではシリア軍の砲撃で「決戦」作戦司令室戦闘員1人死亡、3人負傷(2020年10月2日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから209日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方各所を砲撃し、戦闘員1人が死亡、3人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるダール・カビーラ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約25輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のタッル・ワースィト村、ハミーディーヤ村、マンスーラ村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構はシリア政府の支配下にある灌漑計画地区を砲撃した。

一方、SANA(10月2日付)は、「テロ組織」がシリア政府の支配下にあるジューリーン村を砲撃したと伝えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, October 2, 2020、ANHA, October 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 2, 2020、Reuters, October 2, 2020、SANA, October 2, 2020、SOHR, October 2, 2020などをもとに作成。

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