イドリブ県での「決戦」作戦司令室との戦闘でシリア軍兵士3人死亡(2020年10月3日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから210日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がザーウィヤ山地方のバイニーン村一帯でシリア軍と交戦し、士官(大尉)1人を含む兵士3人を殺害、多数を負傷させた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

「決戦」作戦司令室はまた、シリア政府支配下のカフルナブル市を砲撃した。

一方、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方各所を砲撃した。

このほか、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のカーヒラ村、ヒルバト・ナークース村、マンスーラ村を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府支配下のガーブ平原の灌漑計画地区を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるウンム・ワラド村でシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団のメンバー1人が何者かによって殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるヒムス市バーバー・アムル地区で爆発が発生し、子供5人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, October 3, 2020、ANHA, October 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 3, 2020、Reuters, October 3, 2020、SANA, October 3, 2020、SOHR, October 3, 2020などをもとに作成。

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