イドリブ県での戦闘でイッザ軍の戦闘員2人死亡(2020年11月5日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから245日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村を砲撃し、「決戦」作戦司令室の傘下で活動を続けるイッザ軍のメンバー2人が死亡、6人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

イッザ軍はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/alaza_army/)を通じて声明を出し、イドリブ県南部前線での戦闘でガーズィー・リフアト・ハッザーア、マジド・ムハンマド・ハムシューの2名が戦死したと発表し、2人を写真を公開した。

シリア軍はまた、フライフィル村一帯で「決戦」作戦司令室と交戦したほか、カンスフラ村、ファッティーラ村、スフーフン村に対しても砲撃を行い、カンスフラ村では住民1人が死亡、3人が負傷した。

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スワイダー県では、ザマーン・ワスル(11月5日付)によると、シリア政府の支配下にあるウンム・ザイトゥーン村の検問所が何者かの襲撃を受けて、シリア軍の少尉1人が死亡、兵士4人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県22件、ラタキア県4件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は24件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 5, 2020、ANHA, November 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 5, 2020、Reuters, November 5, 2020、SANA, November 5, 2020、SOHR, November 5, 2020などをもとに作成。

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