11月11日にシリアの首都ダマスカスで開幕した「難民帰還に関する国際会議」は2日間の日程を終え、ウマウィーイーン宮殿(コンベンション・センター)で閉幕声明を採択し、閉会した。
アイマン・スーサーン外務在外居住者省時間が読み上げた声明は、シリアの主権、独立、統合、領土保全、国連憲章を遵守し、これらを侵害し、地域の安定と安全を脅かすあらゆる試みを拒否することを確認した。
また、ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)、そして国連安保理がダーイシュやアル=カーイダとつながりがあるとするすべての組織・個人に対する「テロとの戦い」を継続し、その撲滅をめざす決意が表明され、これらの組織・個人との戦闘を停戦規定から除外することが強調された。
そのうえで、シリアの危機は軍事的な解決によらず、国連の支援のもと、2019年1月のロシアのソチでのシリア国民対話大会での合意に基づいて、シリア人自身による政治プロセスで解決されるべきであることが改めて表明され、それに対する外国の干渉を拒否することが明言された。
一方、シリア国内の人道状況の悪化、新型コロナウイルス感染症対策の影響への懸念を表明し、国際法や国連憲章に反するすべての一方的な制裁を解除することを主唱した。
また、米国企業が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との間に交わした北・東シリア自治局支配地域で産出される原油のイラクへの移送にかかる合意を非難した。
難民、国内避難民(IDPs)の帰還と、紛争で被害を受けた地域の復興については、国連安保理決議第2254号や国際法の規定に従うと強調、国際社会に支援を呼びかけた。
そのうえで、シリア政府が、難民帰還だけでなく、彼らが尊厳ある暮らしを送るための条件を拡充するためにあらゆる取り組みを続けることが強調された。
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なお、2日目となる12日には、ロシアとシリアの高等教育、科学研究、産業、保健、法務、税務関係の専門家が両国間のテクノロジー、科学、文化面での協力強化の方途について意見を交わした。
また、「難民帰還に関する国際会議」に参加している各国代表は、ダマスカス郊外県のハルジャラ村にある国内避難民(IDPs)キャンプを視察した。
視察には、フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、アラー・ミヌール・イブラーヒーム・ダマスカス郊外県知事、ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使、ロシア合同連携センターのミハイル・ミズィンツェフ(Mikhail Mizintsev)議長(上級大将、国家防衛管理センター長)、サラゲイ・アレゴビッチ保健副大臣らが参加した。
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SANA(11月12日付)が伝えた。
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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構にイドリブ県の支配地域の自治を依託されているシリア救国内閣は声明を出し、11日から12日にかけて首都ダマスカスで開催された「難民帰還に関する国際会議」を厳しく批判、「アサドの支配のもとでの帰還はない」と表明した。
AFP, November 12, 2020、ANHA, November 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2020、Reuters, November 12, 2020、SANA, November 12, 2020、SOHR, November 12, 2020などをもとに作成。
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