シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のラタキア県、イドリブ県、ハマー県各所を砲撃(2021年4月16日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村近郊の丘陵地帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村一帯、バーラ村、バイニーン村、スフーフン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサイダー町でシリア政府との和解に応じたムハンマド旅団の元司令官が、武装集団によって撃たれて死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるマムティナ村とナブア・サフル村を結ぶ街道で、軍事治安局に協力する男性2人が乗った車の通過に合わせて仕掛けられていた爆弾が爆発し、この2人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(イドリブ県5件、ラタキア県9件、アレッポ県2件、ハマー県11件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は25件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を15件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 16, 2021、ANHA, April 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 16, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 16, 2021、Reuters, April 16, 2021、SANA, April 16, 2021、SOHR, April 16, 2021などをもとに作成。

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