カーミシュリー市で国防隊とアサーイシュが戦闘再開、子供1人が死亡、アサーイシュは国防隊の拠点を新たに制圧(2021年4月22日)

ハサカ県では、ANHA(4月22日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市で4月21日午後11時45分頃、国防隊と内務治安部隊(アサーイシュ)が戦闘を再開した。

両者は4月20日、国防隊がワフダ通りにある内務治安部隊の検問所複数カ所を攻撃したこときっかけに衝突、内務治安部隊の隊員複数人が負傷していた。

21日深夜に再開した戦闘は、国防隊がタイ地区にある内務治安部隊の拠点を襲撃したことがきっかけだったという。

内務治安部隊は応戦し、「マフラザト・ライルー」の名で知られるタイ地区北部の国防隊の拠点を制圧した。

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戦闘再開を受けて、カーミシュリー国際空港に駐留するロシア軍憲兵隊と北・東シリア自治局の渉外関係局(外務省に相当)職員からなる合同使節団がタイ地区を訪れ、ロシア軍憲兵隊が国防隊の代理として、内務治安部隊と戦闘を停止することを合意し、午前2時半頃までには事態は収束した。

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しかし、午前10時頃、両者は再び戦闘を再開した。

ANHAによると、国防隊が無差別に発砲したことで、戦闘が再開したという。

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2度目の戦闘再開を受けて、ロシア軍憲兵隊とシリア軍士官3人(少将、准将、大佐)からなる合同使節団がワフダ交差点を訪れ、内務治安部隊の司令官と会談、戦闘停止に向けた協議を行った。

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しかし、戦闘は止まず、国防隊が撃った銃弾で14才と10才の男の子2人(アフマド・ハンムード・ハンムードくん、マフムード・マフムードくん)と12才の女の子(アフド・ウスマーンちゃん)が負傷し、コルニーシュ地区にあるシャヒード・ハッバート病院に搬送された。

このうち10才の子供(マフムードくん)はその後病院で死亡した。

国防隊はさらに、内務治安部隊が管理するハルクー検問所を攻撃、住宅などに砲撃を行い、住民3人が負傷した。

内務治安部隊は、タイ地区、ハルクー学校一帯で国防隊を迎撃し、2人を拘束した。

AFP, April 22, 2021、ANHA, April 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 22, 2021、Reuters, April 22, 2021、SANA, April 22, 2021、SOHR, April 22, 2021などをもとに作成。

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