シリア軍はダマスカス県での爆発事件を受けるかたちで、イドリブ県アリーハー市を激しく砲撃し、13人が死亡(2021年10月20日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はダマスカス県での爆発事件を受けるかたちで、「決戦」作戦司令室の支配下にあるM4高速道路沿線のアリーハー市を激しく砲撃した。

この砲撃で、通学中の子供3人と女性1人を含む13人が死亡、ドゥラル・シャーミーヤ(10月20日付)によると、35人が負傷。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるダーナー村、ハーン・スブル村、ダーディーフ村、タッル・ルンマーン村などを砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月20日付)によると、砲撃を行ったのはシャーム解放機構。

しかし、シリア軍はさらに反撃し、カファルヤー町近郊のアズラク国内避難民(IDPs)キャンプ一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍の輸送車輌と軍用車輌20輌からなる車列がカフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入し、トルコ軍拠点が設置されている県中部に向かった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍によるアリーハー市への激しい砲撃を受け、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にある県北西部一帯を砲撃した。

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アレッポ県でも、ドゥラル・シャーミーヤ(10月20日付)によると、シリア軍によるアリーハー市への激しい砲撃を受け、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるミーズナーズ村、カフル・ハラブ村などを砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(イドリブ県3件、ラタキア県2件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 20, 2021、ANHA, October 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 20, 2021、Reuters, October 20, 2021、SANA, October 20, 2021、SOHR, October 20, 2021、Sputnik News, October 20, 2021などをもとに作成。

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